記事一覧

平凡社 コロナ・ブックス「作家の旅」

現在販売中の表題の本に竹中労さんの沖縄の旅について写真入りで紹介されています。紹介文は小浜司さんによりますが、唄者との写真もなかなかよろしく、改めてまた沖縄に行きたい気分にさせてくれます。

本の方は総勢15人の作家の旅についてゆかりの方々が書いた文章と、本人の原稿などの資料をふんだんに載せていてこんな本を読んでしまうとますます自分の旅のショボさが際立ってくるというのもあるのですね(^^;)。とりあえずは本屋さんで手にとってみて立ち読みされるのをおすすめしておきます。

ここのところ別ブログで旅に関する話を書くつもりが、旅自体の話は全く書かず、下準備と脳内旅行の話ばかりになってしまって恥ずかしい限りなのですが、今度の連休こそ行ければあてのない旅に出てみようかなと思ったりしています。

このチャンスを逃すな! あの映画がスカパーで放送

 最近になって録画機能付きのテレビを買い換えまして、それと同時にスカパーe2の10月あたまの無料視聴でいろいろ見ていたのですが、その無料期間が過ぎようとしている中、とんでもないプログラムを発見してしまいました。

 元々、スカパーは契約するつもりはなかったのですが、先月から衛星劇場というチャンネルで伊藤大輔監督の幻のフィルムを放送していまして、「忠治旅日記」「斬人斬馬剣」「長恨」の三作品をデジタル処理・彩色した東京国立近代美術館フィルムライブラリーから借りてそのまま放送するということでとりあえず今月来月だけということで加入しました(^^;)。ちなみに、この3作品は10月29日の朝にまとめて放送されます。今までは東京に出向き、何の飲食ブースもない(^^;)フィルムライブラリーで公開されるのを待って行かなければならかった映画が自宅にいながらにして見られる(BSアンテナとチューナーは必要です)というのは実にありがたいものです。「忠治旅日記」はフィルムが見付かった際に竹中労事務所の石原さんに誘われて見に行って以来だったのですが、ようやくしっかり見られました。

 そしてもう一つ、今月だけの企画として、日本の無声映画を紹介する企画があり、その題名が何とあの山上伊太郎脚本の浪人街1話が放送されていたのでした。26日の朝に最後の放送がありますので、まだ無料体験を申し込んでいないB-CASカードを持っている方はすぐに申し込んでみることをおすすめします。衛星劇場自体の視聴料金は基本料410円+1,890円と安くはありませんが、この4本だけを見るために入っても十分元が取れると言えるでしょう。竹中労さんの本でしか当時の映画の事を知らない方はぜひご覧ください。

さしあたってのご報告

私のいる地方が今回の地震で最大の震度5弱だったそうですが、相変わらず緊急地震速報は役に立ちませんでした。ラジオでの緊急地震速報はテレビより早いはずですが、それでも揺れを感じてから緊急地震速報が来ました。

停電もなく、津波の恐れもないということで、とりあえずのご報告まで。

中村とうようさんの訃報に触れて

 テレビのワイドショーでは原田芳雄さんの葬儀の様子が延々と流れ、竹中労さんの事を扱ったムック本がようやく発売されるような状況の中、中村とうようさん自殺というニュースをどう消化すればいいのか。今の私の偽らざる気持ちです。

 直接お会いすることはなかったとは言え、ミュージックマガジンは買って読んでいましたし、その喧嘩早い評論のスタイルは良くも悪くも気になる存在でした。竹中労さんが亡くなってすぐの「とうようズ・トーク」ではとても追悼とは呼べない、とうようさんが竹中さんへの積年の恨みを晴らすような形での(ご本人がこのように文中に書かれています)竹中さんに対する弁明に終始していました。

 読んだ当初は何と大人げないと思いましたが、今実際に一人で住んでいて、その自宅から飛び降り自殺をしたという報道が真実ならば、こうした原稿を書いた後、ダメージを受けたのは常にとうようさん自身だったのではないかという感じがし、ふと坂口安吾が太宰治追悼のために書いた「不良少年とキリスト」というエッセイを思い出しました。安吾は太宰の事を不良少年だとしつつ、このように書いています。

『不良少年は負けたくないのである。なんとかして、偉く見せたい。クビをくゝって、死んでも、偉く見せたい。』

 とうようさんも何にかはわかりませんが、とにかく負けたくなかったのかなと思ってしまうのですが、安吾が書いているように「死の勝利」なるものは決してありません。私のようなとうようさんから見ればとるに足らない人間にも簡単に総括されてしまうだけでなく、とうようさんの事を全く知らないネットでの匿名人から的外れな批判を受けまくってしまうこともこれから起きてしまうのではないでしょうか。自殺という人生の終わり方を選んだために。

 こうして、さまざまなニュースに埋もれたままその人生を終わらせてしまうには本当に惜しい方だと思いますし、今の日本の音楽シーンを死ぬ気で切ってほしかったと思っています。ただ、やはり自殺という形で終わらせて欲しくはなかったですね。御冥福をお祈りします。

竹中労を偲ぶ会へ行ってきました

 昨日は午後から出発して2時間あまりのフライトで沖縄まであっという間に到着しました。今回の目的は沖縄で企画された竹中労さんの二十回忌のイベント「語やびら島唄」を見に行くためでした。

 私のページでは継続的に紹介させていただいているものの、亡くなって20年経ったある意味過去の人と言われてもしょうがない方のためのコンサートにどのくらいの人が集まるのかとも思いましたが、フタをあけてみると小さくないホールの上段までいっぱいになり、階段のところに座って見ている人まで出るほどの大盛況でした。

 沖縄らしいなと思ったのは会場は飲食ができ(出店しているお店から買ったものが条件)、休憩がなくゆかりの唄者が出続けるため、かなり頻繁に人の出入りがある中、およそ3時間弱ノンストップで司会もたてずにスムーズに進行したことです。主催者である琉球新報さんのホールであったからということもありますが、厳しいルールを決めなくてもそれなりにできてしまうなら、こんなやり方もあってもいいなとすら思えました。

 この歌会については、改めてページの方で紹介させていただこうと思っています。とりあえず速報ベースでの紹介でした。

基金にお金を出す人は

 朝のニュースを読んでいたら、政府と東京電力が、福島第一原子力発電所の被災者への賠償金支払いのため、基金を創設する検討に入ったというのが目を引きました。政府と東京電力の他、日本の他の電力会社にもお金を出すようにするとの事ですが、個人的にはもっと対象を広げてもいいような気がします。

 大きな地震が起きてから一ヶ月あまり、今だにどこでも義援金を集めている中、いかに個人といえども原子力発電の不始末まで負担するのかという批判も出ると思いますが、私が提案したいのは、直接国の原子力政策に協力した方がまず率先して基金にお金を出すという事です。

 ここで言う「国の原子力政策に協力した」人というのは、現地で雇用された人を含みません。原子力発電を国家をあげて推進するにあたり、政治献金やらスポンサーの広告料としてかなりの範囲にお金がばら蒔かれたというのは隠ぺいしようのない事でしょう。政治献金を貰った政治家はまずその内容を確認した上、相応の額を基金に入れるべきでしょうし、巨額の広告料をもらったマスコミ各社や関連して利益を得てきた個人は、今になって東京電力の批判などせずに、黙って基金にお金を入れた方がいいのではないかと思うのです。

 そうして基金にお金を出した人たちの顔ぶれをみて、今回の原子力発電の事故をここまで大きくしてしまった原因がどこにあったのか、多くの人たちがはっきりと認識することになるでしょう。そうでもしないと、今回の事で多大な迷惑を被っている人たちの怒りの矛先がいつまで経ってもどこに持って行っていいかわからなくなり、復興自体にも大きな影響が出るでしょう。

 まずはこの件に関する一連の流れで常に見え隠れする隠ぺい体質を変えるためにも、基金に出させるべき人や団体にはしっかり出すものを出してもらうという行動が求められるのではないでしょうか。

今からでも遅くない

 本日の宮城県沖で発生した地震で被災された方には、心から御見舞い申し上げます。こちら、静岡県でも震度4を記録したのですが、地震発生当初にはどこで起こったのかわからず情報の把握に必死でした。私の場合はテレビやラジオがなかったので、スマートフォンを使ってネットから情報収集をせざるを得ませんでした。

 やはりテレビの出す情報は大事だと思うわけですが、今回の地震で東京タワーの先っぽが曲ってしまった状況を見るにつけ、テレビのデジタル化について申し上げます。

 もし地上デジタル用の放送設備が地震によって使えなくなった場合、私たちはどうやって情報を入手したらいいのでしょうか。幸い自宅にはBSアンテナとチューナーがありますので、地上波が見られなくなったとしても地上波と同じ情報を得ることはできます(これを書いている際、BSチャンネルでは地上波と同じ番組を放送しています)。しかし、日本のテレビは衛星放送によるデジタル化をしてこなかったため、BSを持っていない家では全く情報を入手する事ができない情報弱者になってしまう可能性があります。

 7月の完全デジタル化に向けての活動は今後もエスカレートすると思いますが、地方のテレビ局自体が放送不能になるような事も考えられますので、B-CASカードがなくても、東京キー局を配信しているBS17(地デジ難視聴地域のために、首都圏のチャンネル(NHK総合、教育、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の7チャンネル分)の放送をBSデジタルで放送しているものです)を誰もが見られるように開放し、まだ地デジ移行をいていない人たちや地上波のみの設備しか持たない人たちに何らかの援助をすべきです。

 それにしても、これまでに地上波デジタルに費したお金はどのくらいになるのでしょう。今後の政府のお金の使い道にも注目していく必要があるのではないでしょうか。

月曜ゴールデン特別企画「私は屈しない~特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日」

 ジャーナリストの江川紹子さんが書かれたレポートを原案にしたフィクションということで、どういう終わらせ方をするかということを中心に見ていましたが、あまりに安直な結論のつけ方に愕然としています。

 このドラマの内容を一言で表わすとしたらこういうことになるでしょう。

「不当に逮捕されてその罪を認めるよう検察に圧力をかけられた女性官僚が、本人の強い意志と弁護団の力によって無罪になってよかったですね。それにしても証拠をでっち上げた検察はとんでもないところです」

 しかしながら、題材となった郵便不正事件は、元々とある国会議員および、その議員の所属政党のイメージを落とすために仕組まれたのではないかという疑念もあります。ドラマでは不正な書類を作った官僚が個人でやったにしても、罪を認めた本人にえせ障害者団体からの利益供与があったのかどうかすら暗示されていません。不当逮捕された女性官僚も、自分を陥れたのは誰なのかというのがもっとも知りたいことなのではないでしょうか。だとしたら、そういうところまで突っ込んで(フィクションだと最後に断っているのですから、そういった演出も許されるはず)出すことが、当初この女性官僚をあたかも大罪人のように批判したマスコミでもあるテレビ局の取るべきバランス感覚ではなかったのでしょうか。

 いつの世も、勝ち馬に乗るように大勢の決した論評をなぞるように発言するのは簡単です。マそうした価値観ではなく、あえて発言しづらいことを暗示という形でも表現しようとするところにフィクションたるドラマの面白みがあるのだろうと思います。こんな見る前から結果が予想できるドラマを流しているくらいなら、通常の番組構成のほうがどれくらいよかったことか。

 しかし、国会議員役の伊藤四郎さんははまっていました(^^;)。あれなら今後、小沢一郎氏のドラマを作ったら本人役にぴったりなのでは。伊藤四郎さんと言えばコメディアンという先入観で見てしまいそうになりますが、役者としては、個人的にはお蔵入りになった戸塚ヨットスクールを扱った映画「スパルタの海」であの戸塚宏校長を熱演しているという話があり、ぜひ見てみたいと今さらながら思い出してしまいました。

新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。将来に対しての明るい見通しが立てづらい中の年明けということで、あまり景気のいいことは書けないのですが、それでも、無事に年の始まりを個人的に迎えられたことを喜びたいと思います。

 昨年注文していたLenovoのノートパソコン、ThinkPad SL410が暮れも押し詰まった時期に届きまして、今日になってようやくさまざまな設定をして使えるようになりました。この文章は以前に購入したモバイルパソコンから書いていますが、購入時にキー入力のしやすさについてはかなりこだわったつもりでしたが、ThinkPadのキーボードはいかに廉価版とはいえ、そこらの安物の(^^;)ノートパソコンとは一線を画します。IBMで作っていたThinPadが中国の法人になり、どう変わっていくのかというのは注目していたところでしたが、私の注文したものはオプションでbluetoothを付けて35,000円程度と、安くてそれなりに使いやすいものをきちんと仕上げてくる中国の経済活動はしたたかで凄いと感じるところがかなりあります。

 ただ、こんな状況がいつまで続くのかという事についても考えておかなければならないと思います。中国国内でも人民の格差が問題になっていますが、労働者の賃金を上げざるを得ない状況になれば、今のような価格で商品を売るためにはどこかで無理をしなければいけなくなります。労働者の不満について中国当局は、また昨年のように対日本への対決姿勢を打ち出すことでガス抜きをするのかも知れませんが、私たちはそうしたニュースを冷静に受け入れるべきだと思います。

 今年の個人的なテーマとして、あえてお金をかけなくても楽しめるさまざまな事について考えていければと思っています。これだけ政府が迷走し、いつどこで過大な負担を強いられないとも限らないような状況の中、嬉々として消費活動を続けるような事をしていたらすぐに生活は破綻してしまいそうな気もします。逆に一般家庭にお金を使わせたいなら、それなりの政策をすぐに打ち出すべきだと思いますが、まだ当分そんな事は期待できそうにもないですし。

 ちょっと考えるとひたすら暗くなってしまう話ではありますが、それも気のもちようで、頭を使うことでお金はかからないわけですし(^^;)、さまざまな情報はインターネットから入ってきます。今年はそんな風に情報を入手しつつ、ここで紹介できるものがあればしていこうかなと思っています。それでは、本年もどうぞよろしくお願いします。

朝倉喬司さんの訃報に触れて

 不覚にも本日の朝刊で、ルポライターの朝倉喬司さんの訃報を知りました。お一人で暮らしている中での突然の人生の終焉だったようで、本当に残念としか言えません。

 朝倉さんは、まだ竹中労さんがご健在の頃、セミナーのゲストということでいらっしゃり、芸能についてのお話をしていただいた時に私もそのセミナーに参加していました。たまたまセミナー終了後の打ち上げに参加した後、東京駅へ向かうタクシーの中でご一緒になりました。当時デビューしたばかりの上々颱風のお話を竹中さんとされていたのを今も鮮明に覚えています。

 常に周辺にアンテナを張って世の中を読んでいる朝倉さんのように自分はできているのかと問われると、その足元にも及ばないとしみじみ思います。改めて、朝倉さんの書かれたものを読み返すことで、故人を偲びたいと思っています。

ページ移動