モバイルギア2 MC/R330

 

モバイルギア2 MC/R330

 ご覧の通り、白黒液晶タイプのウィンドウズCEマシン、NECのモバイルギア2 MC/R330です。白黒のモバイルギアの中では一番新しいタイプですが、全体的に安っぽくなってしまっている部分もあります。メモリは16メガしかありませんが、標準でATOKが導入済み(以前のR300とR320では入っていません)テキスト入力やメール送受信に特化するなら十分な性能を発揮します。ここでは、簡単な説明と、さらに日本語入力をしやすくするため、JISかな入力でもローマ字入力でもない、親指シフト入力機に変える方法も紹介していきましょう。


モバイルギアとの厚さ比較 

 まず、現在も使っているDOS版のモバイルギア、MK−12との比較です。ご覧の通り、若干厚くなっています。というのも、ウィンドウズCEでは画面をペンで入力するタッチパネルを採用していますので、このような厚さになってしまいます。手前にあるのはPCカードスロットが一つと、モデム端子が一つです。初期モデルのR300にはこのほか正面にコンパクトフラッシュスロットがありましたが、廉価版を作ることによりカットされたのは残念ですね。実際問題、コンパクトフラッシュスロットがあれば、通信カードを使いながらメモリカードを差せるので、メール自体を全て管理できそうな気もしますが、そこまでする必要もないように思えます。そうでなくても、必要十分の機能を持ったテキスト入力マシンであり、電話線や携帯電話カードなどを使えば、付属のMGFAXというFAXソフトにより、FAXの送受信が可能になります。受信したFAXはパソコンで出力、印刷も可能なので、FAX機能だけとっても十分実用になるでしょう。

キーボードの工夫 さて、次に快適に日本語を入力するための工夫についてです。キーボードのうち、「無変換」キーとスペースキーに貼ってあるのは、100円ショップで購入した家具などが床に傷を付けないための粘着シートつきコルクパッドなのですが、一枚のシートをハサミで切り、キーの幅に合うように貼りつけました。
 なんでこんな事をするかというと、意図的にキーボードでの入力の仕方を「親指シフト入力」と呼ばれる「NICOLA配列」に変更しているからです。個人的には英字タイプと親指シフト入力の二通りで入力できる環境を作っておくことをお勧めします。最近ではネットサーフィンをするのにも、ローマ字入力でないURLをタイプする必要がでてきますし、英字は英字のまま、日本語は専用の入力の仕方でやれば、実にスムーズに入力ができると思うのですが。

 親指シフトについての詳しい説明はこちらの「日本語入力コンソーシアム」のページをご覧ください。ただ単に早く打てるという事だけではなく、少ないストロークで、しかもホームポジションを崩さずに3列の指移動だけで日本語が全て打てる入力方法は、4列使って入力するJISかなだけではなく、もともとはタイプライターのキーを壊さないように、よく使う文字のところを打ちにくいように配列されたローマ字入力よりスムーズに入力が可能です。長時間の入力で肩こりに困っている人などにはぜひ試して欲しいものであります。ウィンドウズやマックで使ってみたい人については、上記リンクの中から「親指ソフトウェアライブラリ」を覗いてみてください。日本語変換ソフトの「かな入力」を選ぶことで、キー配列を親指シフト入力に適合したものに変えてくれるソフトが揃っています。ちなみに、ウィンドウズCE機用のソフトは「親指キュン1.02」です。ウィンドウズCEマシンはCPUによって動くソフトが違いますので、インストールする場合には間違えないように気をつけてください。ちなみに、モバイルギア2はMIPSマシンです。

 セッティングが済んだらキーボードの調整ボタンをクリックして、無事にかな入力で親指シフトが使えるようになります。親指で押すシフトキーは写真の通り、「無変換」キーと「スペースキー」が一番使いやすいと思います。あと、モバイルギア2では、標準の設定で「Ctrl」キーと「Caps」キーを入れかえることができますから、特にキーボードから手を離さずに使いたいような場合、この入替操作はやっておいた方がいいと思います。

 ともあれ、これだけのことをやるだけで、最強の日本語入力端末に生まれ変わります。みなさんも親指シフトを覚えて、モバイルギア2を使いこなしてみませんか。

(追記)

 現在使っている機種は最初からATOKポケットがROMにインストールされているのが売りなのですが、それまで使っていたジョルナダ690と比べると明らかに変換スピードが遅くて、早く打ち込んでいるとキーボードの打ち込みの早さについてこないという不満点がありました。なぜこんな事になってしまうのかという事を考えた時、日本語変換辞書がROMにあるため、若干処理速度が遅くなってしまうためだと気がつきました。

 そこで、基本辞書(atokp.dic)やユーザー辞書(atokpyou.dic)をマイドキュメントフォルダに移し、ATOKポケットのプロパティで辞書の指定を行うと今までの遅さが嘘のように快適に入力できるようになりました(^^)。ただ、基本辞書だけでも3MBもあり、本体のメモリを圧迫するのが問題ではあるのですが。今では外付けのメモリもなかなか売っていないので、やはりこれはテキスト入力やメール専用機として使うのが一番いいのかもしれません。そうしたディメリットを補ってあまりある使い勝手の向上でした。(2002.12.25)

(追記)

 先日ついつい同じWinCEマシンでもPalmSizePCというジャンルのE−55を購入しました。果たして今さら使えるのかと思ったところ、あの小さい中にもPocketWZ Editorがインストールできたのでした。そうなると、コンパクトフラッシュの中にファイルを置くことによって、一つの作業を外でも一元化して行なうことができます。外での場合、キーボードを打つスペースが確保できる場合と、そうでない場合がありますが、その場所に応じてマシンを変えて利用可能ということです。PocketWZ Editorにはメーラーも付属していますが、設定はそのまま引き継げますし、この二台は実に相性がいいという感じです。(2003.3.31)

(追記その2)

 一度、電源を入れようとしても画面が表示されなくなり、そのためシグマリオン2を購入した経緯があるのですが、よーく考えてみるとこれにはちょっとした理由があるのではと今さらながら気が付きました。私はアルカリ電池の代わりにニッケル水素電池を使っていますが、ニッカドやニッケル水素電池の特質として、一定の電圧をしばらく保つものの、容量が無くなると一気に電圧が落ちるということがあります。
 私の予想だとそうしていきなり電圧が落ちると、メモリ内容を保持するため、そのしわ寄せがバックアップのボタン電池に行き、そのために急激にバックアップ電池の容量を使い切り、起動すらできなくなったということらしいです。今は100円ショップでボタン電池が売っているのでそうはショックはないですが、やはり推奨されていない機器でニッケル水素電池など充電池を使う場合は、早めの電池交換がトラブルを招かないようです。特にこのマシンはそういうことが顕著なような気がしますので、同じような症状(いきなり起動しなくなった)ような場合は、いったんすべての電池を抜き、ボタン電池と単三電池を新しいものに入れ替えて様子を見ましょう。しっかり起動するようなら、私と同じトラブルの可能性がありますので。(2003.12.12)

(追記その3)

 今でも十分実用になるモバイルギア2ですが、本体の強度不足というのが問題で、今使っているものが壊れたらどうしようかと思っていたところ、ほとんど新品の同型機を購入することができました。ただこちらはパソコンスクール「アビバ」がNECに発注したもので、本体の色やロゴが違うほか、同梱品についてもACアダプタは付いているものの、パソコンとの接続コードや各種ソフトの入ったCD−ROMは入っていませんので、購入する際には注意が必要です。

 私の場合は今までACアダプタがなかったのが入手できたということで、初めて電池の減りを気にすることなく有線LANが使えるようになりました。ホームページ閲覧はつらいですが、自在にメールの送受信はできるようになります。今までは電池で動かすことしか考えていませんでしたが、ずっとつなぎっぱなしにできるということで新しい利用法も考えられそうです。(2004.9.6)


 

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