もともとPalm一筋だった経緯から、この種のパームサイズPCは無視していたのですが、ここのところのE−65の投げ売りの様子にちょっとは心が動いていたんです。そんな中に、近所のショップで欠品が多いながらも4,980円で売りに出ていたのでつい確保してしまいました(^^;)。ただ、内蔵ソフトの充実度とかでは、青いE−65の方がお得ですけどね。実を言うと欠品も多いし(^^;)。ここでは、同じような機種であるVisorとの比較をおりまぜながら、長く使い続けるためにあれこれ考えていきます。と、書いているそばから安くE−65が入手できるようならすぐに乗り替えて予備機となりそうな気配もあるんですが。
果たして何の意味があるのかということもあるかも知れませんし(^^;)、できたらやっぱりいいと思っている人もいるかも知れませんが、キーボードドライバソフトやさまざまな変換コネクタを使うことによって、古い機種であるE−55でもキーボードからテキスト入力ができます。このキーボードはNewtonKeyboadといい、本来AppleのNewtonMessagePad用に作られたものです。それをPalmPilotで使おうということで、市販のドライバがあったので当時購入したのでした。そのまま使うこともなかったのですが、たまたまPalmSizePC用のソフトを探していて、トレイアイコンの定番「ATmini Plus」をダウンロードしようとしたら、同じページにちょっと気になるソフトが。それが、NewtonKeyというキーボードドライバの英・かな切替をキーボード上から実現する「ATNewton」でした。もっとも、これはあくまでNewtonKey用の支援ソフトでありますから、キーボードドライバであるNewtonKeyの入手が必要です。こちらから、E−55や65の場合、NewtonKey
v1.25 (MIPS) for CE 2.0 (9k)
タイプをダウンロードして下さい。あとはクレードルに本体をのせ、キーボードをつなぐとローマ字入力での日本語入力が可能になります。
これから、こうしたキーボードを入手することはむずかしいかも知れませんが、NewtonKeyboadとPalm用のコネクタセットというのはかなり売れたようですから、オークションを利用してコネクタごと入手するのがおすすめです(変換コネクタとセットになったPilot用のキーボードドライバの商品名は「PiloKey」。IKESHOPで発売していましたのでオークションを検索される方はこれらをキーワードにして探されるといいでしょう)。この写真の通り、本来Mac用のコネクタからWin用のシリアルポートに接続するために、グレーのコネクタ(これはPalmをMacに接続するためのコネクタ)から、マック用の延長コネクタを通すことにより接続しています。もっとも、Palm用のドライバにセットになっているコネクタはもう少しシンプルになっているかも知れません。また、このキーボードでない他のキーボードでも動く可能性があります。ただ、私にはちょっとそれ以上のことはわかりかねますので(^^;)。
使用感はかなり快適です。下で述べています通り、PocketWZ Editorを導入することで、普通のテキストファイルを扱うことができるので、コンパクトフラッシュからそのままファイルを呼び、テキストを作成することができます。バックライトも使えますので、暗い中での作業はむしろモバイルギア2より快適かも知れません。さらに、クレイドルからはずせば、手に持って作業の続きができるという。単四電池で動くマシンの中で、キーボードから実用的な作業ができる唯一の機種ではないでしょうか。単四の電池は充電も早いので、まさしくいざという時の作業環境でしょう。太陽電池充電セットとともに持ち歩けば、どんな秘境でも書き続けることができそうですが、そういう状況になることがあるかどうかが問題だという気もしますけど(^^;)。
私が今メインで使用しているVisorPlatinumと比べると一回り大きいのがE−55です。違うのは大きさばかりではありません。CPUのクロックもモノクロタイプPalm最速と言われる33MHzより速い69MHzにもかかわらず、作業中かなり待たされますし(^^;)、爆遅と言われる半フリーズ状態もたびたび発生します。それは、当時からコンパクトフラッシュスロットを標準で付けたことからもわかるように、いろんな機能を詰め込みすぎている感じがあります。それでいて、WinCEでもキーボード付タイプには搭載されているワープロ・表計算などのソフトや、インターネットブラウザも入っていませんし、中途半端だと言われても仕方がないのかも知れません。
Visorはスペック的には劣るものの、OS自体がストレスなく動くように設計されているので、瞬時に目的の画面に行ったり、検索でもそれほど待たされることもなく実用的です。そのかわり、標準では多機能は実現できず、変形アルファベット入力には慣れても長文の入力が難しい(今最新のものではこうした状態は改善されていますが、やはり乾電池駆動でないPDAは却下の方向なので(^^;))という難点があります。つまり、
簡単な入力・閲覧・検索……PalmOS
文章入力・メール送受信・アプリケーション利用……PalmSizePC
というような役割分担ができるでしょう。本体内蔵の辞書ソフト、特に漢字辞典は文字コードが出るので旧字や異体字などの入力時にはかなり役立つことになるでしょう。
ビレッジセンターから出ているパッケージソフト「PocketWZ Editor」は、ウィンドウズCEマシンを持っているなら、ぜひとも入手しておきたいソフトです。テキストエディタの他、マルチアカウントが使えるメールソフトに、検索ソフトやファイラーなどの統合ソフトということで、特にPalmSizePCの弱点を補ってくれるものであるからです。これらのソフトにありがちな、キーボードを持つハンドヘルドPCと違うパッケージということもなく、そのまま使い分けることができるのも嬉しいですね。
PalmSizePCにはワープロソフトもなく(^^;)、ファイラーすら標準ではありません。多くの場合、それをフリーソフトなどで補うわけですが、使い勝手としてはやはり専用のパッケージソフトということで便利です。ハンドヘルドPCにも導入しておけば、コンパクトフラッシュカードを使うことによって、共通のファイルを使い続けることができます。外に出た時には常にキーボードを打つスペースが確保できるかわかりませんし、立ったまま使う時にはコンパクトフラッシュカードをこちらに移すだけで済み、ファイルはテキスト形式なので、母艦に移せばすぐに利用可能になりますし、そういう意味ではVisorより簡単ですね。
この機種には標準でコンパクトフラッシュスロットが付いているので、E−65ならそのまま、E−55ならカシオが提供するカードドライバーとPHSモデムファイルを更新することによってAir”H用カードCFE−02が使えるようになります。Visorのようにアダプタを利用しなくても使い放題のインターネットができますが、私はもっぱらメールの利用だけでも充分ですね。Webについてはカラーブラウザボードのカラー表示の方がいいわけですし、ここでもそのPDAの特徴に合わせて使うことがこのような古いマシンを長く使い続けるこつではないかと思います。
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