PDAというのは、あくまで電子手帳として割り切るのか、それ以上のものとして、パソコンでできることをなるべくできるように求めるのかによって機種選びも違って来ます。あくまで住所や連絡先、スケジュールなどを入れておくだけならVisorPlatinumだけでもいいのですが、ちょっとした文章を書くだとか、メールやインターネット、映像を見たり音楽を聴きたいというニーズには応えられません。ただ、高性能を求めるあまり、下手なノートパソコンが買える程の出費を強いられるというのも本末転倒でしょう。というわけで、いろいろご意見はあると思いますが、私の持ち歩き端末はVisorを加えての三台体制となってしまいました。ちなみに、E−65(左)はオークションで新品同様を5千円ちょっと、ラジェンダ(右)の方はショップの中古を8千円弱で入手しました。ここでは、この二台でどこまで何ができるのか検証してみます。
E−65は、以前紹介したE−55とほとんど変わらないものの、それ単体で使えるように、E−55ではCD−ROMで提供されるソフトがすべてROMに焼き込んであります。ウィンドウズ標準の住所録などは使いづらいため、電子手帳としてもそこそこ使えるということはありますが、私個人としては、コンパクトフラッシュに内容をバックアップするツールが有難いですね。その代わり、携帯電話アダプタが付いていても、パソコンと連携するためのクレイドルやACアダプタは付いていません。あれば便利ではありますが、どうしても使いたいという人がいたら、オークションなどでE−55か、カシオペアforDocomoを安く落札するのがいいでしょう。
大きな特徴は、良くも悪くもモノクロ液晶・単四乾電池駆動ということでしょう。今となってはOSが古く、イヤホン出力もモノラルなど、もの足りない面はありますが、電池が切れてもコンビニで購入できますし、日の光の中でもしっかり文字が読めるというのもめりっとでしょう。半面、インターネットでウェブを見るような場合はかなりストレスがたまります。
次にラジェンダです。このPDAは実売がかなり安いですが、WindowsCE3.0を搭載しているものの、独自のチューンをしているのでラジェンダ専用のアプリケーションか、ちょっと工夫しないとソフトが動きません。ですから、使いこなすためにはある程度の知識が必要になるかも知れません。ハード的にも変わっていまして、E−65では最初か焼き付けてあるROM領域と、自由に書き換え可能なRAM領域とに分かれているのですが、ラジェンダはすべてフラッシュメモリで提供されています。ですから、他のCE機のように、RAM内容を保持するためのボタン電池は必要なく、不必要なら住所録のたぐいも本体から消して、別のソフトを入れることもできます。
こちらはE−65とは正反対で、カラーの充電池を使用し、個人での交換は不可となっています。ということで外で長時間使うために画面の照度を低く抑えて使用するということになります。でもそうすると、日中での画面の認識率は相当悪くなります。その辺はE−65と使い分けるしかないのでしょうね。
そして、これはやはりというか現行機種ということもあって、MP3再生もでき、独自ファイル形式による(要ウィンドウズパソコン)動画再生プレーヤーが標準で付いてきます。これ一台だけでもインターネットとその他もろもろのことはできるんですね。
同じカシオから出ているということもあって、意外と共用ができるものがあります。というか、外部接続のための端子が同じなので、E−65に付いてきた携帯電話接続ケーブルがラジェンダでも問題なく使えました。クレイドルは接続端子の位置が微妙に違うため、つながらないのが残念ですね。
あとは、両方ともコンパクトフラッシュスロットを装備しているので、データの移動は実に簡単です。メールの草稿をどちらかで書いて、どちらかで送信するなんてこともできます。私はこういうPDAの場合、ソフトキーボードは使わずに手書き入力派なのですが、なぜか古い機種であるE−65の方が認識率が高いのです。というか、ラジェンダはどうしようもありません(^^;)。ラジェンダに手書くの癖なども学習できるような機能が付いていればいいのにとは思いますが、バッテリーが切れたらまるで使えなくなってしまうことを考えると、やはり二台体制がいいのかなとしみじみ思う次第です。
実を言うと、ラジェンダの方は安くなければ食指が動かなかったと思います。内蔵の充電池が切れたらどうするかという問題はありますが、かなりコンパクトで、さまざまなものに対応できます。青空文庫などからダウンロードしたファイルを、T−Timeというブックリーダーを使うと、縦読みができ、しっかりルビも表示されるという便利さ。今まではデータを移してから使用するといった使い方でしたが、インターネット使い放題のAir”Hと組み合わせることで、更なる使い方が考えられます。E−65も常時接続ができるからこそ、メリットも出てきます。今後、乾電池で動くPDAやノートパソコンが出て来て欲しいですが、それまではこの組み合わせを持ち運ぶようになると思います。
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