Visor Platinum

 

これだけでインターネットが可能なセット

 

 昨年たまたま中古ショップを覗いていたら、格安の値段でVisor Platinumを見つけました。今のPDAはカラー化、高性能化し、単体で何でもできるほど機能が詰め込まれていますが、それは本体の消費電力を増大させ、本体電池が消耗すればそれは買い換えの時期と言うこともなってしまいます。

 残念ながら現在、乾電池駆動のPDAというのはそれほど多くありません。周辺機器も含めてネットオークションで入手するしかない現状ですが、そのかわりかなり安い価格で今ならば購入できるかも知れません。今となっては時代遅れの機種だと思われがちですが、マックとの接続が標準で可能、しかも同期ソフトもついてくるなど、かなりいろんなことができるVisor Platinumの魅力をここでは紹介していこうと思います。


 

 Visor Deluxeとの違い

 同じ乾電池駆動で廉価版のVisor Deluxeとの違いは、まずCPUの高速化が挙げられます。Dragonball VZ 33MHzは従来の16MHzから倍の早さになっています。また、OSのバージョンも3.1から3.5.2Hへ上がっています。これは、細かいことですが利用できるソフトにも違いがあります。Palmには多くのフリーソフトがありますが、以外と3.5以上と銘打つソフトが多いものです。そういうソフトの中ではずせないものは私の場合二つあります。

 

1.TimeConduit

 パソコンと同期するときに時刻を修正してくれるソフトです。同期するパソコンがインターネットにつながっている状況が必要ですが、頻繁に同期を取るのが必須のVisorですから、時計代わりに使いたいというニーズにしっかりと応えてくれます。

 

2.tapmail

 マルチアカウント、振り分けもできる高性能のメールソフトです。機能強化とともにシェアウエア版ができましたが、3.5以上のシステムに限って機能を抑えたシンプルエディション(こちらはフリーソフト)を利用することができます。私の場合はシンプルバージョンで十分なので、このバージョンが使えるVisor Platinumが必須と言うわけです。

 

 さらに、パッケージには手書き入力はサポートしないもののジャストシステムのATOKPalm版や、ウィルス検知ソフトなどが付属します。これだけでも中古での価格差を越えるものでありますから、双方を見つけた場合はVisor Platinumの方がお買い得だと言えます。

 

 周辺機器を揃える

 

 最近のPDAは、直接コンパクトフラッシュやSDカードを使ってバックアップや通信ができるようになっていますが、Visorシリーズも本体背面にあるスプリングモジュールを付け替えることによってそういった機能を使うことができます。普段から使うものとして、バックアップと追加メモリー、通信関連の機能は欲しいところではないでしょうか。ということで、それぞれのアクセサリについて紹介しましょう。現状での入手は難しくなっているかも知れませんが、オークションなどでは本体とセットになって出る場合もあります。

 

1.Backup & 8MB Flash Module(ハギワラシスコム)

 Visor本体のユーザー用メモリは8MBで、普通に使うには十分なのですが、多くのゲームを入れるとか、ビューワーで読むための大量のテキストや画像など、足りなくなってくる場合もあります。さらに、Visorにはメモリー保護用の電池がないので、電池切れのまま放置していると、本体のメモリが消えてしまうというリスクを持っています。そうした二つのニーズに関して解決を図るのがこのモジュールです。

モジュールを装着しても出っ張り無し 写真のように本体にぴったりと収まるサイズで、単体でのバックアップと外部メモリが一つになり利用できます。乾電池式のマシンなので常に予備電池を持ってすぐに交換するのが基本ですが、念のためバックアップを行っておけば安心です。さらに言うと、マシンを別のものに代えるような場合でも、このモジュールでリストアを行えば自分のマシンの環境をすぐに移行できます。不幸にして壊してしまっても、予備機を準備しておけば面倒な設定も必要なくすぐに乗り換えられます。これからは中古が市場に出るようなことがあれば、本体価格は捨て値に近いものになるでしょうから、いざというときのために予備機を用意しておくためにも、このモジュールは本体以上に必須だということになります。私は7千円前後で新品を購入しましたが、このほかにバックアップのみの機能を持つモジュールもあります。あと、バックアップと言うことで言えば、コンパクトフラッシュメモリを使えるモジュールでも本体バックアップができますので、とりあえずはそういったモジュールを確保することが安心してVisorを使い続けられるカギになるでしょう。

 

2.Snap Connect for Visor(アイ・オー・データ)

携帯電話との接続 Visorで使える携帯電話・PHSのためのモデムユニットで、単四乾電池二本で動きます。本体の電池を消費しないので安心して使える分、電池スペースが出っ張ってしまいます。標準でCdmaOneを除く携帯電話用ケーブルと、DDIポケットのエッジ用ケーブルが付属します。ドコモやアステルのPHSと、AUの携帯電話で通信を行いたい人にとっては別売りのケーブル購入が必要になりますので注意が必要です。私が購入したときはちょうど新品の投げ売りの時期で、通販で1980円で購入しました。ほとんど使う場面はないのですが、念のため携帯電話用のケーブルと一緒に常備しています。tapmailというメールソフトと一緒に使うと、携帯の電波が来るところなら常にパソコン用のメールアドレスを使ってメールの送受信ができる最小構成でしょう。

 

3.C@rd H"64petit(ハギワラシスコム)

多少の出っ張りあり こちらも通信用のモジュールですが、名前の通りNECのコンパクトフラッシュ型H"カード限定になっています。私の使っているCFE−02という型番のコンパクトフラッシュ型AirH"カードでは、メーカーのサイトからアップデーターをダウンロードすることにより利用可能になります。つまり、つなぎ放題のインターネットをVisorで実現できるのです。もっとも、カードの電源も本体の電池に依存するので予備電池の容易が必須ですが、格安でいつでも入手できるのが乾電池駆動マシンの強みです。アルカリ電池でも連続駆動1時間以上という報告もあります。単四のニッケル水素電池が2本で700円弱ですから、3セットぐらい用意してローテーションしておけば毎日の使用には何の問題もないでしょう。

 

 というわけで、主に周辺機器中心に紹介してきましたが、白黒表示であることを除けば電子手帳としてのアドレス・スケジュール管理も十分ですし、メールやネットサーフィンも利用可能。旅行などでもいざというときにはコンビニに飛び込んで乾電池の利用可能なVisor Platinumは、燃料電池など電源に革命が起こらない限り現役機種の座を追われることはないでしょう。少なくとも現在最新機種の電池がへたっても、使い続けている自信があります(^^)。Visorで足りない分は他の機種で対応しますし、敢えてすべてを一つの機種でまとめる必要はありません。Palm自体の動向と併せて、これから主にソフト面で充実していって欲しいものでありますが。


 

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