本日の朝日新聞「私の視点」欄に、作家で仏文学者である出口裕弘氏による坂口安吾生誕百年についての文章が載っています。安吾は小説家として世間に認知されていますが、彼の活躍していた時代、小説だけではなく社会のさまざまな事について論じていた彼のことですから、今安吾が生きていたらと思うのは出口氏だけではないでしょう。ただ、今の世の中は小説家だけでなく、いわゆるテレビに出てくるような有名人に聖人君子であることを要求します。そんな時代に安吾のような人が放り出されたら、そのあまりの放言・奇行は格好のマスコミの餌食となり、かつての岡本太郎氏のようにテレビによって消費されるだけの存在にもなりかねないでしょう。続きを読む