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ICレコーダーの取り扱いに注意

 メディアに対して情報発信する方法としてさまざまな種類があるわけですが、ハイビジョンレベルの動画が撮影できるデジタルカメラにもびっくりしますが、一昔前のDAT並にデジタル高音質の録音ができるようになってきているICレコーダーの進化にはびっくりするばかりです。記者会見でこれでもかといった風に突き出されるさまざまな製品を見ていると、単にインタビューの録音だけでなく、ちょっとした音楽録音にも使えてしまうだけのクオリティを持った製品が安いものでは一万円前後で売られています。これは、一昔前の生録マニア(外へ出掛けていって波の音やSLの音、野鳥のさえずりなどさまざまな音を録音して楽しんでいた人達がいたのです(^^;))が再来したわけではないでしょう。常に録音機を携帯し、仕事上やプライベートなどでいざという時のためにいつでも録音できるようスタンバイしたいと思っている人が多いというのかも知れません。続き

 ここのところ、新聞やテレビを賑わしている民主党の生方副幹事長ですが、この方もICレコーダーを携行されている方なのかどうか、いわゆるプライベートな空間で行なわれたであろう高嶋筆頭副幹事長との会話のやりとりを、フジテレビのニュースで流せるだけのクオリティで録音していたことにびっくりしました。可能性として本人がレコーダーを隠し持っていたか、取材記者が高感度高志向性のマイクを使って録ったものなのかということなのですが、生方氏自身が元読売新聞の記者ということなので、常にICレコーダーを携行していたのかも知れませんね。

 それはともかくとして、いわゆる閉じられた空間での会話の内容をいかに自分の進退問題に関わるものとはいえ、簡単にテレビニュースに流してしまうとは、その考え方はともかくとして個人的にお付き合いしたくない方だなと思ってしまいます。対一般人では問題にならないかも知れませんが、この方と親しくなって飲みながら話をしたりしたとしても、常にICレコーダーのスイッチは入れたままかも知れません。陰湿ないじめの解明であるとか、裁判の証拠として録音しているものは、あくまで証拠物件として立証するためのものでしょう。今回の場合は単に党内での人事問題について、自分の正当性を主張するためだけに会話の内容を録音し、それを公開した(もし生方氏本人が録音したものではないとしても、その内容をテレビニュースで放送し、ご自身もさんざんテレビの生番組に出演して喋っているわけで、それが生方氏の意思であることが類推されます)というわけですから、本格的に辞職勧告をされるのは仕方がない気がします。

 間違えてほしくないのは、今問題にしている勝手に録音内容を公開することと、民主党の中で自由に物が言えないと思っている人がいるということは全くの別の問題だということです。生方氏は現在のマスコミが民主党の批判一辺倒になっていることで、自分の身を守るためにマスコミに擦り寄っているのですが、相手に確認を取ったのかすらわからないレコーダーの音をニュース番組で流すような手法について、私は問題だと思っています。これも、簡単に高音質で録音できるようになったICレコーダーの進化の影響であるとも言えるわけですが。

 街頭での写真やビデオ撮影でも、最近ではやみくもに通行人の顔が写ったものをウェブに掲載することで問題がおきているだけでなく、その現場でいわゆる「盗撮」であることを疑われれるような状況になる場合もあります。録音の場合にも同じような問題はこれから起こってくるでしょう。少なくともその昔の生録のように、自分で録音したものは自分やごくごく親しい間柄だけで楽しむだけにしておきたいものです。もちろん、コンサート会場への無断持込みはご法度ですのでお気を付け下さい。

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