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マスクの恨みは恐ろしい

 漫画家の水木しげるさんの手による、太平洋戦争を描いた一連のシリーズ物があります。たまたまそれらの作品がまとまった本を手に入れ読んでいたのですが、戦争という極限状態の中、一兵卒はどんな扱いを受けたのかを知り、戦後60年経った今においてもその構造はほとんど変わっていない事を思い知らされたのでありました。

 「硫黄島の白い旗」という作品の中で、分隊長の軍曹が3日間飲まず食わずで戦って限界を悟り、連隊本部に食糧を回してほしいと頼みに行くシーンがあります。本部周辺には食糧が積まれているにも関わらず、その食糧は幹部のものだとして上官は決して部隊長に食糧を分けてやらないのですね。果たしてこうした事が戦場であったのかどうかという問題はありますが、水木さん本人が戦地を転々としてきていて、その体験を踏まえて描かれている事から、少なからずそうした事があったのではないかと想像します。そうした事と、今インフルエンザ対策の必需品であるマスクの供給について、どうにもこうにも同じようないやな感じを感じてならないのです。続きを読む

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