今日いっぱいでとりあえず今年の正月休みも終わり、通常の生活へと動いていくわけですが、改めてこの正月の印象から展望まで感じたことを書いていこうと思っています。
昨年は搾取される労働者という観点から小林多喜二の「蟹工船」が話題になりましたが、実のところ、当時とは労働者が相対するところの敵がはっきりせず、やはりこれは古典としか読まれないだろうという違和感がありました。私はむしろ、こんな時代だからこそかつて日本が全てを失った第二次世界大戦後の社会に学ぶところがあるのではないかと思っています。戦後文学の象徴として今でも読むことのできる評論に坂口安吾「堕落論」があります。「続堕落論」と合わせてネット上で無料で簡単に読むことができるので、興味のある方はぜひご一読を。今年に入ってここ数日だけでも、今年はまた坂口安吾にスポットライトが当たる年ではないかと予感させるものがあります。続きを読む