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衛星映画劇場「スーパーの女」

 地上波の年末テレビ特番があまりに私にとってつまらないので、いわゆるゴールデンタイムには衛星放送の映画、伊丹十三監督作品特集を見ています。本日のお題は「スーパーの女」。「マルサの女」からの「○○の女」というシリーズものの一本だと当時は思っていたのですが、チョイ役でいろんなタレントが出てくるし、意外にも楽しんで見られる娯楽作品に仕上がっています。公開当時にはあまり問題にされなかった食材の日付偽装や表示偽装などをそのまんま出したりしていたのですが、ということは今になって問題になっている偽装ははるか昔から当然のように行なわれていたということなのですね。こうして改めて作品を鑑賞し終わってみると、今年のさまざまな偽装・おわび会見というのは一時の事ではないということがわかってきます。続き

 つまりは、過去の人たちが延々と続けてきたことが一気に吹き出した年であったということです。映画では宮本信子さん演じるスーパーの副店長がお店にやってくるお客様のクレーム処理から再生への道を模索してハッピーエンドへとつながっていくわけですが、これからの世の中は映画の中のように単純ではありません。これからのクレーム処理というのは、いわゆる社会のひずみというものがまずあり、突然クビを切られるとか給料が上がらないだとか、理不尽ないじめに(個人・企業や公的機関なども含む)遭っているというような、そうした個人の力ではどうにもならないストレスが各々のところにあって、そうしたストレスをそのまま発散するようなものが増えています。駅員への理不尽な暴力は慎むべきものですが、その裏には個々が抱え込んでいる深刻な問題が隠れているかも知れません。

 日本で生活しているほとんどの人にとって何が大切かと言えば、まずは自分や家族の生活の事でしょう。これから政府・企業の動向によっては生活そのものが危うくなってしまうかも知れない時代に私たちは生きています。生活がすさめば心もすさみます。心がすさめば社会がどんどんすさんでいくのです。

 ではどうするかというのが問題ではあるのですが、生活がすさんでも心まではすさまないようにするしかないでしょう。金がありあまって困る生活というのに縁はありませんが(^^;)、それなりに工夫すれば楽しく暮らしていけるものですし。来年もそうした方法について、実践をしながらここやホームページで紹介していければと思っています。まだ年内には書くと思いますが、ちょっと早めの年末のご挨拶がわりに。

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