イラクはアルカイダと関係がなかったという報告を、何とアメリカの上院がしたそうですね。言うまでもないと思いますが、元々アルカイダをイラクが支援していると難癖を付けて攻撃に踏み切ったわけで、フセイン大統領の独裁があったとしても根拠なく攻撃するというのは許されないことでしょう。しかし、そういった状況を受けて米軍が撤退するとかイラクに対する補償をするとか、そういう事は全く聞かれません。更に言うならば、日本政府だってアメリカのために出したお金の返還を請求したっていいほどの事だと思うのですよ。でもそれができないのは、アメリカが世界を動かしているという認識の下、かなり強気で外交を行なっているということと、日本を含む周辺国がそれに異を唱えることなく、アメリカの横暴を許してしまっているからに他なりません。
はっきり言って、どんなにアメリカがテロ対策をしようと、蟻の子一匹漏らさずに防衛することは到底不可能なわけで、これでますますテロ対象国としてアメリカは狙われる可能性が高まったと言えるでしょう。そろそろ9・11に向けてカウントダウンされ、日本でもさまざまなテレビ特番が用意されているようですが、あの忌まわしい事件を「昔はあんなことがあった」という風に振り返るべきものであるのか、疑問が残ります。あの事件は現在いつでも起こり得るわけですから、振り返るようなことをする前に、逆上してテロを起こすような事件が起こらないようにアメリカに対する人々の感情を和らげるための努力を惜しむべきではないと思います。ただ、そうした行動は国と国との関係の中で実現できるものではないため、さらにきめ細やかな対応が必要になってくるとは思いますが。
ここで何度も書いていることですが、テロを高圧的に押さえ込もうとすればするほど、何かあった時に大きなダメージを受けるような気がしてなりません。来たる9月11日はどうしたら悲劇が起きない世界になっていくかをじっくり考えたいものですね。