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テレビは何を伝えているのか

 サッカーのワールドカップは準決勝と決勝・三位決定戦を残すのみとなりましたが、準々決勝のうちブラジル対オランダを日韓合同チームの審判団が担当するとは思いませんでした。ジャッジの内容が厳格すぎるのではという意見もあったようですが、ブラジル・オランダの選手たちの、明らかにファウルをしているにも関わらずものすごい形相で主審に食って掛かる様子を見るにつけ、まだまだ日本というのはサッカー後進国として位置づけられているのではないかと感じてしまいました。ただ、唯一のレッドカードの判定は妥当なものでしたし、ボールに関係ないところでの小競り合いや、わざと倒れるような行為にもしっかりと目を光らせている事は選手には意識されていたはずです。試合終盤、プレーが止まり残り時間を気にするブラジルの選手に、大げさなジェスチャーで時計は止まっていることを示した仕草が特に印象に残っています。今大会の中で次の機会はあるのかはわかりませんが、東アジアのサッカーはチームとともに審判団も世界に大きな印象を与えた事は確かでしょう。これまでのドイツの戦力は圧倒的な感じがしますが、どうせなら今まで優勝のないオランダとスペインに一層の奮闘を期待したいですね。続き

 さて、昨日の夕方、地上波のどのチャンネルでも同じ放送が流れました。アナログ受像機でテレビを見ている人には砂嵐が、デジタル受像機ではまだ対応していない受像機があれば交換をという内容だったようですが、ちなみに私のところでは砂嵐でした(^^;)。今日あたりのテレビでも、上下の画面を使って2011年から放送が見られなくなる攻撃がすごいですが、こうした広報のやり方には本当に辟易してしまうのです。

 地デジに全面的に移行する中、放送を見続けるにはどうすればいいかを考えた時、テレビを買い換えるしかないのではと思ってしまう方がほとんどだろうと思います。同じ広報でもNHKが行なっているものの中には外付けのデジタルチューナーを追加すれば今のテレビセットでも見られるということをしっかり伝えてはいます。ただ、UHFアンテナが接続されていないと見られないのは一緒です。

 実際のところ、地上アンテナでは放送をきれいに受信できない山間部の集落にむけて、BS(衛星放送)の一部のチャンネルで東京ローカルのネット局の放送を配信していることは意外と知られていません。もっとも、普通に地上波が映るところではそのチャンネルにはスクランブル信号がかかっていて全く見ることができないのですが。お金がなくテレビの買い替えもできず、さらに新たなアンテナ工事をするだけのお金もない人には、現状では良好に映るのかわからない室内アンテナを付けてデジタルチューナーで見るしかないというのが正直なところです。個人的にはまだBSアンテナの方が南西に向いた窓があれば室内でも良く映ると思うのですが、ローカル局との関係もあることからこれもほとんど実現不可能でしょう。

 私が頭に来ているのは、いわゆる情報弱者の人たちにも高いお金を出してテレビを替えさせ、さらにアンテナ工事が必要なところには更にお金を出させて工事をさせる政府や放送局のやり方についてです。全ての場所にあてはまるわけではありませんが、ベランダなどに簡単に設置できる地デジ用室内アンテナは3~5千円くらいで安いものではあるようですし、地デジ用チューナーも5千円前後で現在は手に入れることができると思います。もちろん、地域によっては現状のアンテナで変わらずに地デジを見られるところもあり、そうなるとデジタルチューナーのみを購入すればよく、コストはさらに安くなります。

 サッカーのワールドカップやオリンピックについては、そのほとんどをテレビで見る人がほとんどでしょう。最初に書いたさまざまな事など、テレビがなければ詳しい内容を生で体感することはできません。地デジ関連については悪質訪問販売なども問題になっていますが、まずは公に移行を促す立場の方についても、さまざまな形を最初から提案していくべきでしょう。お金をかけなくとも今あるテレビで地デジは見られますとなぜ大々的に広報できないのでしょうか。相当うがった見方をしてもいいですが、今回はその点については突っ込まないようにします。ただこれは全くフェアではなく、何も知らないお年寄りが、なけなしの年金をはたいて新しいテレビに買い換えることを余儀なくされるような状況もありえます。テレビの中の人はテレビを見ている多くの違う立場の人の事を考えるようでないと、まだまだ新たな混乱は起こり得るでしょう。

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