今回話題にさせていただく「ウェークアップ!ぷらす」を放送している日本テレビ系列の番組で、同じ辛坊治郎氏が司会を務める関西発「サプライズ」でこんな事がありました。
(以下番組ホームページの放送内容紹介の内容を引用させていただきます)
言葉の使い方、間違っててもいいじゃない!!
「破天荒」の意味を6割超の人が勘違いをしている、ということが文化庁の調べでわかった。言葉の意味は、時代に合わせて変化していくもの…間違った意味でも、みんながそう認識しているならそれでいいじゃないか!という怒り。
(引用ここまで)
番組内(サプライズ)ではコメンテーターの勝谷誠彦氏が「破天荒」の意味を、中国の故事にある、『天荒(天地がまだ混沌としてひらけない状態)を破ることで、人がまだやっていないことをやってのけることを言う』という事をしっかりと解説していました。私個人の印象ではいい意味で使われるべき言葉だと思います。本日のウェークアップ!ぷらすで紹介されていた戦国武将は破天荒な人物の宝庫で、畏敬のまなざしで見られるような人物に使われるのが言葉の意味に忠実な使われ方ではないかと思います。今回不思議に思ったのは、これらの事情を当事者としてわかりすぎるほどわかりきっている辛坊治郎氏が司会を務めている番組VTR内で使われた「破天荒」という言葉の使われ方でありました。
鳩山首相が演説した国連総会の壇上に現れたリビアの最高指導者カダフィ大佐の演説は制限時間を大幅にオーバー、安全保障理事会は「テロ理事会」と呼ばれるべきだと大きく批判しました。さらに、国連憲章の小冊子を放り投げるなど見ているこちらもハラハラするような行動が目立ちました。そうした一連の演説についてこの番組は、
『破天荒な演説』
とナレーションを付けたのでありました。確かに、今の日本にカダフィ大佐のような指導者はいません。まさに、今話題の歴女なら(この話題もウェークアップ!ぷらすで紹介されていました)その破天荒な言動に戦国時代の大名はこんな人物だったのではないかと思わせるほどでした(個人的には関ヶ原前後の直江兼続の言動に似ているなあと思っています)。しかし、テレビ局の制作側や司会の辛坊氏はそのように思って「破天荒」という言葉を使ったのかどうか。VTR後に辛坊氏を含めた番組出演者は誰もこの事には触れませんでしたので、番組ではカダフィ大佐について批判的ではなく肯定的にとらえていると言われても仕方のない報道の仕方でした。
それにしても、いくら番組が違うとはいえ、同じテレビ局が出すもので、一方では問題提起をしておき、そのすぐ後に何のフォローもしないまま間違った使い方を何の注釈も入れないで垂れ流すとは。私は司会者の辛坊氏の見識を大いに疑います。それとも、いくら自分がやっている番組であっても、番組が終わってしまえば後々とやかく言われることはないとでも思っているのでしょうか。もっと発信者としての責任を感じながら番組をやってほしいものだとしみじみ思った次第です。