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ネット時代にジャーナリズムに期待すること

 先日のブログで書きました静岡7区の衆議院議員選挙に立候補を予定している城内実氏とタレントの眞鍋かをり氏の一件について、週末にまたいろいろ情報が出てきまして、結局眞鍋氏の所属事務所が一切聞いていないというホームページ上の主張を受けて、城内氏が謝罪するといった形になりました。まだネット上ではさまざまな思惑がくすぶっているようですが、ここまで騒動が大きくなった原因は、当時者の主張するブログの書き込みであるとか、仲裁者とされる人物のファクシミリだとかをそのまま垂れ流すジャーナリズムにあるのではないかとふと思いました。続き

 騒動の発端は選挙公示前に貼られるポスターに眞鍋氏が掲載されるという事実から、真鍋氏が出演しているフジテレビ系列の朝のバラエティー番組に出られなくなったという一報を聞き、仕事がなくなるという差し迫った問題を解決するため、真鍋氏がすぐに御自身のブログに書き込んだ事にあります。フジテレビ側はなぜ眞鍋氏の出演を断わったのか。この点について7月30日付スポーツ報知の記事では、こんな風に説明されています。

(引用ここから)

選挙前の時期に、特定の政党や候補者を支持する者の出演は放送倫理にかかわってくるだけに、フジテレビ広報では「所属事務所と話し合い、とりあえず明日の出演を見合わせることにしました」と説明している。

(引用ここまで)

 これをそのまま読むと、今現在街中に張られている衆議院選挙に立候補するであろう人と一緒に写っている人物は、政治に関係ないバラエティや教育番組ならまだしも、生のニュース番組、政治の話題を伝えるワイドショー、政治討論番組に出ている場合、倫理上この時期のテレビ出演を控えるようになるという風に読めます。ここまでお読みになった上で、以下のリンクをごらん下さい。

http://suigei.blog10.fc2.com/blog-entry-1059.html

 ご覧の通り、今の時期に広島4区に張られている自民党の中川秀直氏と、生の政治討論番組で司会を務めている田原総一朗氏とのツーショットポスターです。恐らくフジテレビの規定では田原総一朗氏は今の時期テレビには出られないと思うのですが、現実に田原氏はテレビに出ていながら、政治的公平性を維持しているのかどうかどこのマスコミも検証していません。私は単にマスコミで報道された情報や問題の当事者が直接世論に訴える形で掲載しているホームページやブログから情報を得ているに過ぎません。それでもこれだけのおかしなところがあるのですから、調べればもしかしたら、テレビに出ているタレントさんが選挙のためのポスターに顔を出している事例もあるかも知れません。ジャーナリズムの役割とは、当事者の垂れ流した情報だけで記事を作るのではなく、それから派生するさまざまな問題を当事者や関係者に取材し、物事の本質を知らしめることにあるのではないでしょうか。今回の騒動はかなりネットでも話題になっていますから、掘り下げて報道すれば売上増にもつながるでしょうし。

 ちなみに、他の方のブログではもっと突っ込んだ分析(これがそのまま事実ではないと思いますが)がされていて、本当にこの分析が正しいのかというのも本来はジャーナリズムの手で明らかにされるべきものでしょう。

http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20090802

 これだけインターネットによる当事者の発信が自由にできてしまう今、ジャーナリズムはそうした発信の裏にあるものをぜひとも綿密な取材によって明らかにして欲しいと思います。

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