ここを訪れた皆さんは、「コンプライアンス」という言葉をご存知でしょうか。日本語に直さずに安易に使われる風潮には辟易しますが、日本語ではよく「法令遵守」というように訳されます。ただ、今の日本では単に法令の中だけでなく、社会的規範や企業倫理を守ることまでも含まれて使われています。例えば、競技日程では午後１０時２０分頃とプログラムにあるのに、
「このあとすぐ４００メートルリレー」
と、午後７時頃から散々視聴者を煽ってチャンネルを変えさせないように演出するＴＢＳのスポーツ中継のやり方もコンプライアンス違反とまではいかなくても、かなり怪しいやりかたでしょう。更に言うなら、
「女子マラソン、午前６時スタート」
という煽り文句も説明不足です。正確にはＴＢＳの中継開始時間が午前６時からで、プログラムでは午前７時スタートとなっています。こうした行為自体、問題ないと思ってテレビ局は演出を含めた放送をしているのでしょうが、特に文句も言わずにいる世間の風潮というのが、これから書く事にも繋がっているのではないかと私には思えるのです。
今のところ、１０月から郵政公社が民営化するという前提の下さまざまな準備が行なわれています。近所にある郵便局でも新しい看板がもう出ていましたし、これから新しい会社としてスタートするようです。先日、業務内容を紹介した小冊子なども届きましたが、その中に書いていない変更を意図的に隠しているのではないかという疑念があります。まずはこちらのリンクをご覧下さい。
http://www.yu-cho.japanpost.jp/n0000000/mineika-service.htm#three
これによると、新しく株式会社となる「ゆうちょ銀行」のサービスが軒並み値上げになっていることがわかります。個人的には定額小為替発行手数料が、今までの１枚１０円から１００円に値上がりするのは痛いですね。１００円前後のちょっとした送金に使えることで重宝していたのですが、おそらくこれからはもう使うことはないでしょう。あと、電信払い込みの手数料が3万円未満525円、3万円以上735円になるとは驚きました。今までは1万円までは210円で送れていたので、代金引換で品物を送る場合に重宝していたのですが（代金引換郵便を個人が利用する場合、ぱるる口座に料金を電信扱いで振り込んでくれるサービスがあるのです）、さすがにこれ以上手数料を負担させるのは悪いので、これからは別の方法を探さないといけないなと思っています。
問題なのは、こうした具体的な料金を広く国民に告知しない郵政公社や政治家、マスコミだろうと思います。このままいけば、９月の終わりから１０月にかけて、全国の郵便局窓口でかなりの混乱が起こり怒号が飛び交うことになるでしょう。ゆうちょ銀行のサービスに見切りをつけて、他の金融機関に変えることのできる人たちはいいですが、特に近くに郵便局しかない地方の方々というのは、こうした料金高騰の影響をまともに受けることになります。おそらく日々利用する金融機関として郵便局を身近に感じていた人たちこそ、こうした情報を知らされていないのではないでしょうか。これはもう、私に言わせればコンプラアンス違反すれすれのやり方です。利用者の不利益を隠し、文句が付けられない頃になって公表するということ自体もとんでもないですが、これから粛々と業務を遂行しなければならない現場の人たちの苦悩はいかばかりかということも考えます。手数料の問題のみを今回挙げましたが、郵政民営化というのは結局のところ採算の取れない地方切捨てでしかないということが、特に地方在住の人たちには思えてくるのではないでしょうか。さしあたって機械の使えないお年寄りなどは更なる負担をしなければなりません。こうした流れを作ったのは小泉元首相ですが、そういう人が今だに人気があるというのも何なのだろうかと思いますね。