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今からでも遅くない

 本日の宮城県沖で発生した地震で被災された方には、心から御見舞い申し上げます。こちら、静岡県でも震度4を記録したのですが、地震発生当初にはどこで起こったのかわからず情報の把握に必死でした。私の場合はテレビやラジオがなかったので、スマートフォンを使ってネットから情報収集をせざるを得ませんでした。

 やはりテレビの出す情報は大事だと思うわけですが、今回の地震で東京タワーの先っぽが曲ってしまった状況を見るにつけ、テレビのデジタル化について申し上げます。

 もし地上デジタル用の放送設備が地震によって使えなくなった場合、私たちはどうやって情報を入手したらいいのでしょうか。幸い自宅にはBSアンテナとチューナーがありますので、地上波が見られなくなったとしても地上波と同じ情報を得ることはできます(これを書いている際、BSチャンネルでは地上波と同じ番組を放送しています)。しかし、日本のテレビは衛星放送によるデジタル化をしてこなかったため、BSを持っていない家では全く情報を入手する事ができない情報弱者になってしまう可能性があります。

 7月の完全デジタル化に向けての活動は今後もエスカレートすると思いますが、地方のテレビ局自体が放送不能になるような事も考えられますので、B-CASカードがなくても、東京キー局を配信しているBS17(地デジ難視聴地域のために、首都圏のチャンネル(NHK総合、教育、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の7チャンネル分)の放送をBSデジタルで放送しているものです)を誰もが見られるように開放し、まだ地デジ移行をいていない人たちや地上波のみの設備しか持たない人たちに何らかの援助をすべきです。

 それにしても、これまでに地上波デジタルに費したお金はどのくらいになるのでしょう。今後の政府のお金の使い道にも注目していく必要があるのではないでしょうか。

月曜ゴールデン特別企画「私は屈しない~特捜検察と戦った女性官僚と家族の465日」

 ジャーナリストの江川紹子さんが書かれたレポートを原案にしたフィクションということで、どういう終わらせ方をするかということを中心に見ていましたが、あまりに安直な結論のつけ方に愕然としています。

 このドラマの内容を一言で表わすとしたらこういうことになるでしょう。

「不当に逮捕されてその罪を認めるよう検察に圧力をかけられた女性官僚が、本人の強い意志と弁護団の力によって無罪になってよかったですね。それにしても証拠をでっち上げた検察はとんでもないところです」

 しかしながら、題材となった郵便不正事件は、元々とある国会議員および、その議員の所属政党のイメージを落とすために仕組まれたのではないかという疑念もあります。ドラマでは不正な書類を作った官僚が個人でやったにしても、罪を認めた本人にえせ障害者団体からの利益供与があったのかどうかすら暗示されていません。不当逮捕された女性官僚も、自分を陥れたのは誰なのかというのがもっとも知りたいことなのではないでしょうか。だとしたら、そういうところまで突っ込んで(フィクションだと最後に断っているのですから、そういった演出も許されるはず)出すことが、当初この女性官僚をあたかも大罪人のように批判したマスコミでもあるテレビ局の取るべきバランス感覚ではなかったのでしょうか。

 いつの世も、勝ち馬に乗るように大勢の決した論評をなぞるように発言するのは簡単です。マそうした価値観ではなく、あえて発言しづらいことを暗示という形でも表現しようとするところにフィクションたるドラマの面白みがあるのだろうと思います。こんな見る前から結果が予想できるドラマを流しているくらいなら、通常の番組構成のほうがどれくらいよかったことか。

 しかし、国会議員役の伊藤四郎さんははまっていました(^^;)。あれなら今後、小沢一郎氏のドラマを作ったら本人役にぴったりなのでは。伊藤四郎さんと言えばコメディアンという先入観で見てしまいそうになりますが、役者としては、個人的にはお蔵入りになった戸塚ヨットスクールを扱った映画「スパルタの海」であの戸塚宏校長を熱演しているという話があり、ぜひ見てみたいと今さらながら思い出してしまいました。

録画中継はドラマに劣る

 このテーマでは何回も同じ事を書いていますが、書き続けることが大事だと思うので敢えて同じ事を書こうと思います。世界バレーを中継したTBSは、野球の日本シリーズの中継を放棄して、女子バレーを優先しました。この事自体はスポンサーあっての民放ということでそこまで糾弾するのは可哀相だと思うのですが、相変わらずの録画中継には我慢できません。

 日本とブラジルの準決勝は、放送開始の19時前に大興奮の場面を迎えていました。私はネットのスコアのみ更新されるサイトで、35対33という大熱戦を制した場面を直接見ることはできませんでした。2セット連取でこのまま勝てるかと思ったものの、以降3セットを取られて敗退したのはご存知の通りです。ちなみに、日本の敗戦が決定した時にテレビ中継ではまだ2セット目を放送していたというのは皮肉と言うか何というか。

 さすがにこの結果を知っている中、無様に負けて行く姿を見ることがわかりきっているのに続けて見ようとは思いませんでした。生中継と言うことで言えば、衛星ではアジア大会の模様が生中継されていましたし、日本シリーズも生中継でどうなるかわからないからこそ視聴率も上がったのだと思います。

 今回のような中継方法をやめさせるためには、バレーボールの中継はすでに勝敗が決した状況でそれらしく放送していることを多くの人に知らせる必要があります。それで見たいと思われる人はそのまま見ればいいし、すでに結果がわかっているならダイジェスト放送で見るという人もいていいでしょう。

 スポーツ中継とテレビ局の編成は、サッカーのように延長のないスポーツならいいのですが、いつ終わるかわからない中継ということになると難しい問題をはらんでいることは事実です。ただ、将来に向けて明るい展望もあります。先日、NHKで早稲田対慶応の東京六大学野球の優勝決定戦を中継した際、アナログでは午後四時で中継が終了しましたが、デジタル放送では別チャンネルでそのまま試合終了まで中継することで、野球を見たい人には配慮したものになりました。同じ総合テレビの中でも複数のチャンネルを同時に放送できるということは、スポーツ中継終了後のドラマを見たい人と、そのまま延長してスポーツの結果を見届けたい人の両方にメリットがあります。今回のバレーボールは最初から放送時間をずらしているので、この方法でも生の臨場感を見ることができないことが問題だと思いますが。

白熱した試合を台無しにした奴は誰だ?

 プロ野球日本シリーズの第6戦はまれにみる熱戦で、延長15回引き分けに終わりました。私はいつも衛星放送で見ていたのですが、本日は衛星放送での中継がなく、仕方無しにフジテレビの中継で見ていたのですが、あまりにも程度の低い解説陣にストレスがたまりっぱなしだったのです。

 日本のプロ野球の、特にパ・リーグの試合をろくに見ていないというのはすぐにわかりましたが、バッテリー関係しかコメントしない野茂英雄氏はそもそも解説向きではないものの、個人的にはまだ許せました。許せないのは古田敦也氏の全く解説ではない中日の応援でした。

 地上波で中継し、フジテレビしか放送をしていない中、中日の選手が打った時だけ歓喜の声を挙げるというのは、著しく公平性を欠くのではないですか? 中日OBの解説者であっても、あそこまであからさまな応援を放送にはのせないと私は思います。ロッテファンだけでなく、多くの方が違和感を感じたと思いますが、こんな放送をしていればスポンサーも離れるでしょうと思わざるを得ませんでしたね。

 それでも、衛星放送の場合、こうした事にストレスを感じる人のために、副音声が解説なしの場内音声のみという配慮がなされています。これも私が衛星放送でシリーズを見たかった理由なのですが、本日の放送はそういった配慮もされませんでした。

 少なくとも、私は今後古田氏がテレビに出てくるたびに本日のえこ贔屓解説を思い出すでしょう。解説者としての心得を、今から野村克也氏に改めて教えを受けた方がいいのではないでしょうか。

スポンサー偏重は視聴者にとって良いのか?

 ここのところ、テレビを見ていないことはないのですが、正直言って何か書こうという気になる番組が少ないというのが現状です。秋の改変期にはさまざまなバラエティが放送されたものの、長丁場ずっとテレビの前に陣取っている人たちがどれだけいたのでしょう。さすがに興味深く見ていたのは、プロ野球のリーグ代表決定戦ぐらいですが、報道によると日本シリーズの放送が地上波で一部なくなるといったこともあるそうです。というわけで、今回は野球の日本シリーズを放送しないテレビについて考えてみます。続きを読む

エチカの鏡 ココロにキクTV

 今回は途中から見たので、見ていない部分はあったのですが、人生を変える旅SPと題して「なぜ?OL辞め彼氏と徒歩で日本縦断・車椅子で日本縦断する大学生・ガン闘病父と子絆マラソン感動ゴール」という三つの旅を紹介していました。最後の家族で年末年始、夏休みなどの期間限定で車での伴走付きで行なう旅には頭が下がりましたが、前2つの旅については、あれをあのまま放送してしまっていいのか? という疑問が浮かびました。私自身、休みのたびに車を使って車中泊前提の旅をするということから、いかに快適に、周辺に迷惑を掛けず、さらに犯罪に巻き込まれないように旅を終えるかということを念頭において出掛けるようにしています。人によってはそういった事以前に行きたいから行くということもあるのでしょうが、テレビを見た人の中でああした旅をしたいと真似をする方がいたとして、いつ何時地元の方とトラブルを起こしたり、犯罪に巻き込まれる可能性はゼロとは言えません。実に無責任にこうした旅人を紹介するテレビ局とともに、目に付いた行動について検証を加えていきたいと思います。続きを読む

テレビはタブーにこそ踏み込もう

 週末に大都市で行なわれた民主党党首選挙の街頭演説会について、検証しているニュース番組が多くありました。複数の政治評論家の方々の中には、小沢コールが起こったことについて、小沢陣営がサクラを仕立ててそれなりの人数を動員したのではないかという趣旨の論評を行なっていました。私は現地へ行っていない人が憶測だけで発言するのは控えた方がいいと思いますが、もしそれが真実だとしたら、可哀想にご自分の番になってヤジを飛ばされた菅氏との公平性を保つような確固たる証拠を取材によって明らかにすべきではないかと思います。ただ、私が思うに、なぜ今さらこうしたサクラや動員について、今回の街頭演説だけを問題にするのか、そちらの方が疑問に思います。続きを読む

ニュースウォッチ9

 民主党の党首を決める選挙戦の火蓋が切られ、今日は小沢一郎氏が朝と夜のテレビに生出演し、コメンテーターの質問に答える形で意見を主張されていました。新聞・テレビ・雑誌などのマスメディアは現首相の菅直人氏を持ち上げると言うよりも、対立候補の小沢氏の「政治と金の問題」の説明責任をということで論戦を張っています。そんな中、この番組で小沢氏は非常に興味深い話をしました。小沢氏の逆襲とでも言うべき事なので、多少興味本位ではありますが紹介することにします。続きを読む

スーパーモーニング

 金曜日の特集も三週目になり、しかもお盆期間ということで普段より多くの人たちが見ている中でどんな事をするのかと思ったら、結局は消費税増税への誘導のような今回の特集でした。インタビューに出てきた慶応大学の教授が、タンス預金にも課税するようにデノミのように紙幣を変えることで、交換手数料と言う名目でお金を取る仕組みを提案していたのですが、市場に出回っている紙幣を回収するというのはどういうことなのかという点には全く触れていないのが実に偏向的でありました。続きを読む

スーパーモーニング

 今週は昨日まで夜はずっとNHKBS2で放送された山本薩夫監督特集を見まくっていました。「金環蝕」「不毛地帯」「白い巨塔」「華麗なる一族」というラインアップでしたが、どの作品も世の中の不条理な仕組みをあぶりだすような作りになっています。政府が集めた税金が大きなプールに満たされた水だとすると、プールから水を移す際、その容器に穴がたくさん開いていて、そこからこぼれる水を不正に取得する輩こそが問題であるという感じがするような作品群でありました。本日のコメンテーターとして登場したテレビ朝日の玉川記者は、税金の無駄遣いを追求することにより、いかに穴の開いた容器から水が漏れないようにするかについての問題提起を行なったということで、視聴者受けが良かったのだろうと思います。しかし、先週から引き続き貯蓄税について述べるさまは、そうした経緯をなしにして、いきなり「消費税と貯蓄税ならどちらがいいのか?」という二者択一から特集に入っていったのでした。続きを読む

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