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基金にお金を出す人は

 朝のニュースを読んでいたら、政府と東京電力が、福島第一原子力発電所の被災者への賠償金支払いのため、基金を創設する検討に入ったというのが目を引きました。政府と東京電力の他、日本の他の電力会社にもお金を出すようにするとの事ですが、個人的にはもっと対象を広げてもいいような気がします。

 大きな地震が起きてから一ヶ月あまり、今だにどこでも義援金を集めている中、いかに個人といえども原子力発電の不始末まで負担するのかという批判も出ると思いますが、私が提案したいのは、直接国の原子力政策に協力した方がまず率先して基金にお金を出すという事です。

 ここで言う「国の原子力政策に協力した」人というのは、現地で雇用された人を含みません。原子力発電を国家をあげて推進するにあたり、政治献金やらスポンサーの広告料としてかなりの範囲にお金がばら蒔かれたというのは隠ぺいしようのない事でしょう。政治献金を貰った政治家はまずその内容を確認した上、相応の額を基金に入れるべきでしょうし、巨額の広告料をもらったマスコミ各社や関連して利益を得てきた個人は、今になって東京電力の批判などせずに、黙って基金にお金を入れた方がいいのではないかと思うのです。

 そうして基金にお金を出した人たちの顔ぶれをみて、今回の原子力発電の事故をここまで大きくしてしまった原因がどこにあったのか、多くの人たちがはっきりと認識することになるでしょう。そうでもしないと、今回の事で多大な迷惑を被っている人たちの怒りの矛先がいつまで経ってもどこに持って行っていいかわからなくなり、復興自体にも大きな影響が出るでしょう。

 まずはこの件に関する一連の流れで常に見え隠れする隠ぺい体質を変えるためにも、基金に出させるべき人や団体にはしっかり出すものを出してもらうという行動が求められるのではないでしょうか。