井上ひさしさんの訃報が朝から入ってきました。寝床の脇においておいた携帯電話のスクロールするニュース速報で初めて知ったのですが、時々刻々と流れるニュースの一つに過ぎないとはいえ、しみじみと感じ入るものがあります。
テレビ人形劇の脚本や、バラエティ番組の構成をされていたとはいえ、私がはじめて氏の名前を認識したのは「ブンとフン」あたりからでしょうか。小さい頃は漫画ばかりだったのが、星新一さんとともに活字による物語の世界へと導いてくれた方の一人でありました。小説や戯曲も好きでしたが、独特の語り口によるエッセイの面白さというのは、文章によるエンターテインメントだといっても過言ではありませんでした。最初に読んだエッセイは、後年批判の対象にもなった家庭内暴力の事まで面白おかしく書いてしまった「家庭口論」「続・家庭口論」です。続きを読む