Jornadaを最強の日本語入力端末にする

 

親指シフトシールを張ったJornada

 

 Jornadaの特徴といえば、両手でキータッチ可能なサイズでこの大きさであるということなのですが、実際にタッチタイプしてみるとそこらへんのノートパソコンと同等ぐらいには慣れるとスピードが出ます。ここのところ私の持っているノートパソコンシンクパッド535は、こと入力に付いてはほとんど出番がなくなってしまいました。というのもJornadaを含むウィンドウズCEで現在はニコラ配列といわれる『親指シフト』での入力がサポートされたことがかなり大きいです。ここではさまざまなツールを使って、Jornadaを最強の親指シフト入力マシンにする方法について紹介していきます。一応、キー配列をソフト上だけでなくハード上でも変えてみます。でも、合わないようだったらすぐに元に戻せますし、この作業にかかる費用もわずかです。新しいキー配列を覚えるのは大変かもしれませんが、一度覚えたら確実に日本語入力が楽になりますので、興味がおありの方はぜひ試してみてください。(2000.7.12)


工程1 親指ソフト配列をJornadaで使えるようにする

 

 一般的にはなじみが薄いながら愛好者に絶大な人気を誇る親指シフト。もともとは富士通製のワープロ『オアシス』で採用され、独自のキーボード配列で高速入力が可能でした。しかし、ビデオテープのVHSとβの拡販競争と同じように、入力方式の優劣と普及とは無関係です。独自の配列を持つ親指ソフトは、ごく一般的なキーボード配列で利用できるローマ字入力には太刀打ちできませんでした。愛好者は時代がワープロからパソコンへと移ったときにおいても、専用のキーボードとキーボードドライバを高額の投資をして入手し、それまで慣れ親しんできた入力方式を守ろうとしました。確かに、専用のキーボードによる入力というのは快適です。しかし、新しくパソコンで入力を始めようという人にとってパソコンとは別に高いお金を出してキーボードを買い足すというのも酷な話です。そこで登場したのが、ソフト的にキーボードの配置を入れ替え、現在のキーボードでも親指シフトでの入力を可能にするフリーソフトでした。ウィンドウズ・マック用とも存在していましたが、今年(2000年)に入って、ついにハンドヘルドコンピュータであるウィンドウズCEでも動くソフトが発表になったのです。それが『親指キュン1.01』というソフトです。何はともあれこのソフトを導入しましょう。ウィンドウズやマックでソフト的に親指シフトを実現するソフトとともに、インターネットではニフティサーブの『キーボードフォーラム』で公開されています。親指キュンはフリーソフトなので作者の方に感謝しつつ使うことにしましょう(^^)。ただ、一つだけ注意があります。ウィンドウズCEの機械はそこに使われているCPUの種類によってインストールするソフトが違うということです。Jornadaが採用しているのは日立製のSH3というCPUなので、解凍した後インストールするファイルを間違えないようにしましょう。インストールしたら、日本語変換ソフトで『かな入力』を選んだ場合に親指シフトが使えるようになります。ということはもちろんそのままでもかな入力に切り替えなければローマ字入力はできるということですね。ただ、プロパティの中に『一時的にJISかなにする』というチェックがありますので、かな入力をされている方でも慣れるまでは両方使うことができると思います。

 

工程2 キー表示をなんとかする

 

 それなりに練習して何とか使えるようになれば別ですが、最初に導入してすぐに快適に入力できる人などいません。最初は皆さん、キーに印字された文字を頼りに打つのですが、このままでは全然わかりません。ですからここは、無理にでも親指シフトの配列をキーに表示するようにしたいものです。表面の文字を削り取って新たに書き足すというようなことをしている方もいらっしゃいましたが、その労力は半端ではありません。先日別のページで書きました、親指シフト開発元の富士通さんがキーボードに貼り付けるシールの提供をホームページで始めましたのでそれを利用することにしましょう。
貼るとこんな感じ その前に、あなたのパソコンにアドビ社の『Acrobat Reader 4.0』が入っているかどうか確認してください。入ってないようでしたらこれから行くホームページ上でダウンロードするか、雑誌の付録にはほとんど入っていますのでインストールするかしましょう。このソフト、画面で見たイメージそのまま印刷ができるので、このような特殊なシールを印刷するには必携のソフトなのです。富士通では今度、日本語変換ソフトの新しいバージョンを開発していますが、その付属機能として親指シフトを普通のパソコンのキーボードでも使えるようになりました。今後製品版にはキーボードに張るシールを添付するとの事。その見本がアクロバットリーダーの書類という形で登録されているのです。インターネットからそのファイルをダウンロードし、それを裏に糊が付いているシール型の用紙に印刷すれば、簡単に親指シフト用のシールが完成します。ただ、このシールはパソコンのキーの大きさに最適化されていますので、横の大きさはともかく縦を最大限につめることが大事です。そうすると、キートップにちょうどいい大きさになります(写真参照)。こうして一度張ってしまえば定着も良く変なことをしないとはがれません。また、所詮はシールですから必要がなくなったとか、汚れがひどくなって交換のときなどは後も残らずきれいにはがすことができます。ただ、インクジェットプリンタでの印刷の場合など、ぬれた手でのタイピングには十分にご注意のほどを。

 

工程3 練習する

 

 これは言うまでもないかもしれませんが(^^;)、ただ、親指シフトの場合どうして練習したらいいのだという問題は確かにあります。ここらへんはキーボードでもピアノでも同じです。変な癖を付ける自己練習よりも、多少の出費をしても実績のある練習方法を行うことが大切です。私がお勧めするのは、私自身この方の本で練習して1週間で打てるようになったという、増田忠士さんの練習法です。残念ながら親指シフトの衰退とともに、増田さんの本はローマ字入力が中心となり、親指シフトの練習法は書店から姿を消してしまいました。しかし、ホームページには親指シフトのこともサポートされていますし、練習法の入手も簡単です。特にJornadaは日常使う頻度がかなり多いと思われますから、こちらで練習し、パソコンのほうでも徐々に移っていくようにすれば、完全に移行が完了した時、その入力の劇的な変化に驚かれることでしょう。実はこの文章もJornadaで打っているのですが、こんな長い文章を打っていてもまったく苦にならないのには自分でも驚くほどです。一瞬どこにどの文字があるか忘れてしまっても、ちゃんとシールで打鍵文字がサポートされていますから、まったくできないで投げ出すようなこともないでしょう。あとは皆さんの少しの努力だけです。


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