京セラ AH-K3001V

 

京ぽんでウェブブラウジング

 DDIポケットがWILLCOMになり、同業のNTTドコモがPHS事業から撤退する中、ついに手に入れたのが京セラのAH−K3001Vという端末です。通称の「京ぽん」の方が通りがいいのではないかと思いますのでこれからは「京ぽん」で通しますが、この端末は現状ではかなり満足度の高い端末なのではないかと思います。

 京ぽんについてはすでに語られ尽くしているところもあると思いますが、あくまで私なりのレビューということで少々書かせていただきたいと思います。さまざまな情報やリンク集については、memn0ck.comさんのページ内にあるまとめページからたどっていただければたいがいの疑問は解消するでしょう。

 私の契約というのは、データセット割引を使って、通話用一台、データ通信に特化した京ぽんと二台体制にしています。通話用は日本無線のJ3003Sで、パックSの3年超使用なので無料通話600円で1600円弱、32Kつなぎ放題(こちらは1年超)の契約をプラスしても6千円ちょっと+超過分通話料という感じになります(私の場合AB割が使えないプロバイダに入っているので、対応プロバイダに入っていれば更に安くなります)。これだけではPHSの電波が届かない場合に困るので、通話用PHSが繋がらない場合に携帯電話に転送をかけています。その携帯電話代が、もはや同じ条件のプランはないのですが2千円弱くらいなので、合計8千円くらいに収まっています。これを一台にまとめるやり方として、第三世代携帯でのパケット放題に加入する方法がありますが、一番安いauの場合でも、プランSS加入で無料通話25分というのが月額8400円と現状の私とほとんど同じです。もっとも、今新規で入る場合について考えてみると、京ぽんではパケット通信中でもデータのやり取りがない場合には着信しますので、あえてもう一台通話用に増やす必要がない方もいるでしょう。主にPHS利用がメインの場合プリペイド携帯を使えば月額は1000円くらいで済みます。PHSの電話番号しか教えたくないような場合はこの組み合わせでも不便ではないでしょう。あくまで携帯の番号を生かしたいという場合は、料金コースの変更を行ない、携帯の最安プランと組み合わせるような感じで、8千円前後にして通話は携帯からというプランでもいいかも知れません。言えることは、PHSと携帯は敵対するものではなく、両方のいいところを生かし、不足するところを補い合うような利用の仕方ではないかと思います。

 一台ですべて済ませたいとか、フルブラウザは必要ない(携帯サイト内のサービスでほとんど用が足りる)、PHSの電波が届かない所でネットをしたいというようなニーズが主なら携帯でのインターネットに行きつくしかないのでしょうが、ほとんどPHSエリア内で事が足りるような場合は、インターネット利用については圧倒的に京ぽんの方が安くて便利ではないでしょうか。しかも、インターネットプロバイダでAIR EDGEに対応するコースに入ればパソコンにつないでつなぎ放題のインターネットができるというのも、パソコンを持って移動したいというニーズがある場合はメリットになります。

 携帯のインターネットに比べてPHSでのインターネットは遅いというディメリットもある程度解消されつつあります。2005年2月1日からパソコンからでも京ぽんからでもデータ通信の効率を上げ、見かけ上高速化させるサービスが始まりました。京ぽんから今試していますが、全体的にそんなに待たされることもないので、こんなものかという感じぐらいにはスピードも改善されつつあるのではないかと思います。ただ、絶対的なスピードは携帯電話の方に軍配が上がりますので、注意が必要かも知れません。

 とにかく京ぽんの優位性というのは、オペラによるフルモードでのインターネット接続が可能という点に尽きます。つまり、私たちが普段パソコンで見ているページをあの狭い京ぽんの画面で見ることが可能になるのです。Javaスクリプトによって、フレームのあるページでもその中から選んで表示することもできます。また搭載されたオペラには、京ぽんのサイズに最適化されたケータイモードもあり、画像なども縮小して見やすいように表示されますので、今まではサイズオーバーで見られなかったページの全容も、かなりの割合で再現させることができるのです。

 こうなるともう、PDA自体がいらないような感じもしますが、私の持っているシグマリオン3とはケーブルを介してつながりますし、こちらにはインターネットエクスプローラ5が載っていますので、どうしても京ぽんでは見づらかったり見られなかったりした場合はこのコンビで外でも通信できます。残念なのは、PocketPCとの接続が別売りのCF通信カードを使わないとできないことでしょう。小型のPDAは片手で持ってすぐに通信できることがメリットなのですから、あくまでそうしたネット環境が必要な場合は、同じPHSでもカード型の端末を利用するということになるでしょう。そこでスマートフォンのように、PDA自体がカードを差すことによって電話機にもなれば、むしろそちらの方が京ぽんより有利になるような気もしますが、今の日本ではそこまでしてスマートフォンを出そうとする人はいなかったということなのでしょう。しかし、これからのWILLCOMの戦略を考えた時、データ通信に特化することは生き残るために必要なことなのですから、今後に向けて進化した京ぽんなり他のメーカーからの端末に期待したいところです。ただ、そんな不満点はあるといっても、現状では一番リーズナブルにどこでもインターネットやメールを楽しめる端末には違いありません。(2005.3.4)


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