日本無線J3002V

 

J3002V二台

 ちょっと遅まきながらという感じもしますが、その機能の割にほとんど話題になっていないDDIポケットのAirH”Phoneを機種変更で手に入れました。今盛んに携帯電話の定額ということでコマーシャルをやっていますが、こちらの方はお試し期間ということで2004年4月末まで電話機からのインターネットがメールともども500円のオプションメール放題を付加することで可能になっていました。音声用で契約していたものにメール放題オプションを付け、一通り試していたところ2004年5月以降になると、つなぎ放題プランにすればパソコンとの接続でも電話機単体でも(これまでは電話機単体でつなぎ放題にするには設定変更など必要)メール・ウェブが使い放題になることになるとのことだったので、今までコンパクトフラッシュで契約していたつなぎ放題コースも機種変更し、二台体制に移行することにしました。ここでは、そのあまり知られていない実力を紹介しつつ、賢い利用の仕方についてみていこうと思います。


●特徴と良い点悪い点

 

 このJ3002Vは新しく出てきた端末であるため、今までの電話機からかなり仕様が変わってしまっています。まずは捨ててしまった分について書きましょう。

 まず、データ通信のやり方が変わりまして、パソコン通信の一部の方式やファックスの送信ができなくなりました。またUSB接続になったため、今まで使えていたPCカードも使えなくなりました。いざという時にファックスを使えないのは確かに痛いですね。そして本来PHSの特徴であるはずの親機との子機登録もできなくなってしまいました。ビジネス向けのシステムでは可能なのでしょうが、これも今まで使っていたαPHSや自営3版といった親機に登録できないようです。ただ、電話帳を移動するのに、グループモードから無線を使って以前の端末からデータの移動ができましたので、ファームアッププログラムでいくらかは可能になるのではないかと思いますが。まあこれについてはいろんな意見があると思いますが、公衆と家庭の両面待ちというのは、もし同時にかかってきてしまった場合困るので、私は家では以前解約した端末を子機として使っています。トランシーバーとしても解約済み端末二台で対応しますので、ファックスを使うような場合を除けばそれほど悪い点の及ぼす影響はありません。ただ、これから機種変更を考える方にとってはこのディメリットに付いては十分考えてから変更した方がいいように思います。

 次に良い点についてですが、機能面でインターネットブラウザが付き、プロバイダに直接ダイヤルアップでき(センターからの切替設定が必要)、メールアドレスも2つ(合計では3つ)電話機から送受信可能になりました。また、USB端子により、汎用のケーブル(ミニBタイプ)を使ってのパソコンやPDAからのネット接続が低コストででき、USBによる本体充電もできるようになりました。コンパクトフラッシュ型の端末と違って、電話機はそれ自体で電力を消費しますので、この機能により出先での電池の消耗を防ぐことができます。電話機だけとしての使い方からインターネットに接続して使うことも多くなることを考えると、こうした電源供給手段は有難いものです。ただ、私の場合は同じものを二台購入してしまったので、充電器を旅行などの時は持っていくと思います。というのも、USB充電だと満充電まで18時間もかかり、充電器では3.5時間と差が歴然だからです。

 

●ウェブについて

 

 これを書いている2004年3月現在、お試し期間ということで、つなぎ放題および、オプションメール放題を付けた端末はDDIPocketセンター経由でのインターネット接続には追加料金が発生しません。ということでこの私のサイトを含め、いろんな所を回ってみましたが、いわゆる携帯電話やPDAのためのサイトというのは使い勝手が良く回ることができます。スクロールも一行ずつと一ページずつをボタンで切り替えることができ、そこそこ使えるといった印象です。ただ、インターネット接続中に電話がかかってきた場合は電話がつながらなくなるということで、頻繁に電話がかかってくるような場合は使い放題だからといって繋ぎっぱなしにするとまずい場合もあります。着信の場合はインターネットを切断して回線をつなげてくれるようなことができればいいのにと思いますが、そうそうネットにかまけているわけにもいきませんので。それがデータ通信用にとカード型端末から機種変更した理由と言えるかも知れません。私の場合はあくまで特殊なものだと思いますので、こういう問題をとりあえず解決するためには、プリペイド携帯電話との併用がいいのではないかと思います。PHSにかかってくる電話をプリペイド携帯に着信転送させることで、大事な電話をのがすことはなくなります。ただしこの場合、通話時間にPHSから転送先までの料金がかかります。

 PHSからは143をダイヤルすると転送先の設定ができます。これならPHSの番号だけを教えておけば、ウェブ利用の時だけでなく、山間部など電波が届かないような場合でもかかってきた電話を受けることができますし。PHSの通話えりあに不満を持っている方も一考の余地はあると思うのですが。肝心の携帯電話への通話料金ですが、つなぎ放題などデータ通信のプランに入っている場合は、24秒10.5円(税込)です。概してプリペイド携帯から掛けると通話料は高くなりますが、このような利用の仕方でエリアに対する穴もなくなりますし、大事な電話も受けられなくなることもなくなりますし、使える方法だと思います。あとは、便利なリンク集を充実させれば、パソコンもPDAも開けないような場所で活躍することができるでしょう。

 利用できるサイトについては、さすがに普通のパソコンで見ることを前提としているサイトは容量の関係上無理で、携帯電話に最適化されたサイトのうち、特定の会社専用のページは見ることができません。これについては利用可能なサイトを集めてリンク集を作るべきなのかも知れません。掲示板などはパソコンと共通でも携帯電話から繋ぐと携帯に最適化した画面になるものもありますから、自分で掲示板を作る際は、そうした使い勝手を基準にしてみるのも一つのやり方でしょう。ともあれ、パソコンでのインターネットサーフィンとは違うものであるとして利用するのがいいようです。

 

●メールについて

 

 メールについてもつなぎ放題の契約にしておけば、後述のパソコン用アドレスを使ったメールの送受信も定額でできてしまいますが、標準コースでも500円のオプションメール放題を追加すればDDIPocketが提供するメールについては送受信ともそれ以上料金はかかりません。かなり長いメールも受信できますし、DDIポケットのメールアドレスに送信されたメールは本体で自動受信する設定もありますので、プロバイダのメールをDDIポケットのメールに転送するようにすることで、わざわざメールを手動で受信しなくても自動的にメールを配信してくれます。ただ、返送をプロバイダのアドレスメールで行うというようなことも電話機だけでできてしまいますが、プロバイダのメールアドレスを送受信するには、お試し期間終了後は別料金(パケット料金)がかかります。メール送信の時にはBCCに自分のアドレスを指定するなどすれば、あとでパソコンメールをわかるように処理できますので、極端な話すべてメールについてはこの電話機一つで済んでしまうようにもできます。携帯電話のアドレスをメインにしている人には何ということのない機能ですが、パソコンのメールアドレスをメインにしている人にとっては、かなり使える機能です。まあ、電話機からパソコンアドレスを使ってメールをするというのはそうそうあることではないし、受信するのがメインと考えるならば、メール放題の契約のみしておけばメール端末としてそこそこ使えるのではないでしょうか。いよいよという時のみ送信に使ってもパケット料金は少く済みますし、そもそも携帯電話と比べるとパケット代は安く抑えられていますし、いざという時のためいいかも知れません。ただしメールを受信している時も電話がかかってくるとつながらなくなってしまいますから、上記のところで紹介したような対策を念のため取っておいた方がいいかも知れません。

 

●二台体制のメリット

 

 私のように2回線を同じ機種の端末にしてしまったという人が他にいるかどうかわかりませんが、充電器だけでなく電池も共用にできますし、本体のメモリも常に揃えておけば、いざという時のバックアップの代わりになるなど意外といいこともあります。また、本体ではメール受信に使えるプロバイダを2つまで登録できるのですが、2台あれば4つ登録できるということになります。つなぎ放題契約で電話機からのネット接続ができるようになったことで背中を押されたということなのですが、お試し期間で使ってみて、まさにPDAに通話機能が付いたような端末でありますし、PalmやPocketPCタイプのPDAにデータカードを差して使うやり方よりも回りから見て違和感なくネットをすばやくできますし。

 もう一つ私の背中を押された理由は、パソコンにUSBコードをつなげばカード型端末と同じように32Kパケットでのインターネットができるということもありますが、PDAでは唯一と言えるUSBコードで使えるモデムドライバが動くPDA、シグマリオン2・3をメインに使っているということもありました。ちゃんとしたスペースが保てる時にシグマリオン2・3をつなげばいい(というか、立ったままキーボード付きのPDAを操作するのも大変ですし)ですから、今後更にPDA化した端末が出るのを待ちながら、二台を使い分けていくのは正解ではないかと私なりに考えた結果こうなったということで。もちろん、USB接続のできないPDAをメインで使っている方にはこういうやり方はもったいないですし、これからこういう使い方をしたい場合にはUSB経由で通信可能なPDAを選ぶことも頭の片隅に入れておいてもいいのではないでしょうか。

(追記)
 グループモードで電話帳を引き継ぐことができると書きましたが、このモードを使うと、二台のPHSを親機なしでトランシーバーにすることができます。パナソニックのものは電話帳の移動はできても、トランシーバー登録はできないのが残念でした。二台体制にはこういうメリットもあるということを付け加えておきます。

 

AirH"Phoneのためのリンク


AirH”を使いこなす へ戻る

モバイル第一主義へ戻る

ホームへ

ご意見、ご感想をお寄せください

mail@y-terada.com