2005年9月 札幌への旅(4)小樽〜札幌

 

 翌日は宿泊にセットされていた朝食をゆったりと食するため、開始時間の6時半に行けるように6時頃から朝風呂へ行き、多少胃の調子を整えたところで、バイキング形式の朝食に向かいます。和・洋とも完備していましたが、その他にパスタがあったので、そちらをメインにしてサラダとヨーグルト、フルーツを取ってゆったりと楽しめました。味の評価をするためには和食の方が良かったのかも知れませんが、かなりバリエーションもあり、何しろ料金が往復航空券とセットで39,800円ですからこれはこれで満足です。それから合流の10時までゆったりと客室で過ごし、あっという間のホテルライフとはおさらばです。この日は小樽まで行く予定で、迎えに来てくれた車に乗り、すぐに出発できました。

 小樽に行く道すがら、何やらお城のような建物が目に付いたのですが、それが「白い恋人」を製造販売する石屋製菓の「白い恋人パーク」だったのです。とりあえず見てみようと入ってみたのですが、これがとんでもない阿漕な駐車システムでした。それについては石屋製菓のホームページに書いてありますので、そちらを見ていただきましょう。

 つまり、駐車料金は1000円で、館内で1000円以上使えば無料ということなのですが、これは全国各地で問題になっている、あたかも無料であるかのごとく観光客を誘導し、土産物屋で買い物をすれば無料だと言う悪徳土産物屋の手法そのものです。そういうことを、サッカーのコンサドーレを応援するスポンサー企業が行なっているとは、かなり私はこちらの企業の見る目が変わりました。仕方ないので1,050(税込み)の買い物はしましたが、もう二度とこちらの企業の商品は自ら進んで購入したくないですね。多くの観光客は観光バスで来ればこうしたシステムを目にしないで済みますし、地元の人は元々1,000円以上買うつもりで来るのだから問題ないようにも思えるのですが、このシステムはちょっと見てみようというような観光客からもお金を出させる姑息なシステムです。レンタカーを使って札幌から小樽方面へ行かれる方は、こうした事を十分把握した上で入場されることをおすすめします。

小樽のびっくりドンキー 小樽市内へ着いた頃にはかなり天気も良くなっていて、ちょっと歩くとすぐに汗が出てきそうになるほどです。町並みや運河を見るために多くの人が訪れていましたが、現実にその場に立ってみると、お城のお堀といった趣でした。古い倉庫が新たなお店としてオープンしていまして、それこそ運河のそばにお店を構える、全国チェーンのハンバーグレストラン「びっくりドンキー」も、古い倉庫をそのまま使っていました。車を置いたところからだとなかなか歩くのもしんどいので、撮影ポイントからデジカメで撮影した程度で、石原裕次郎館にも寄らず、有名なお寿司も食べずに帰ってきましたが、それなりに街の雰囲気は感じて来れたのではないかと思います。これは私の場合だけかも知れませんが、海産物は安く地元で食べられるのであまり魅力を感じなかったということもあります。うにを贅沢に使ったうに丼が有名ですが、元々うにが高いので、それだけで3000〜4000円くらいの出費は覚悟した方が良さそうです。

 前日の朝から翌日の午後までずっと付き合ってくれた先輩とは札幌でお別れすることにし、そこから夜8時過ぎの飛行機の時間まで一人旅の気分を満喫することに。しかし、昨日自転車で回ったことで、改めてどこへ行くかという目的がない事に気付きました。とりあえず札幌駅のロッカーに荷物を預けて、札幌地下鉄のフリー乗車券を買いました。これは500円で乗り放題というもので、どこかへ往復して、もう一区間乗ればこちらの方が得になります。改札脇の自動販売機で売っていたのでそのカードを買い、向かった先はというと、これは全く観光とは関係のない、ある意味しょうもない場所でありました。

HTB横の公園 北海道のものが全国区になっているものといえば、ラーメンやジンギスカン、スープカレーと並んで、テレビ朝日系列のバラエティ番組「水曜どうでしょう」があります。こちらでは水曜深夜の放送になりますが、番組を見ながらいつも気になっていたのがオープニングとエンディングの舞台になっている、HTB本社からすぐのところにある公園であったのです。テレビで見るととても広く見えるのですが、やはりカメラワークの妙と言いますか、実際に来てみると高低さはかなりあるものの、ごくこじんまりとした普通の公園でした。どちらかというと、多くの人が休日遊びに来るような規模を想像していたのですが。そういう意味ではテレビカメラはその多くの場合、真実を映していないということが改めてはっきりしました。紀行番組を見て、旅をしている気になっている方がいらしたら、それは実際の魅力の半分も伝えていないと考えて間違いありません。テレビにどっぷりと浸かって生活している私としては、こうした旅に出ることによってしかテレビと距離を置いた生活ができないのが少々悲しくもあります。

 そうしていよいよ、札幌に別れを告げ、空港のある新千歳に向かいます。かなり余裕を持って空港に着いたつもりでしたが、なかなかツアーデスクの場所がわかりにくく、空港内でおみやげや食事をする時間もなくなってしまい、ぎりぎりになって搭乗口へと行く羽目になりました。こちらでの手荷物検査は、羽田のそれと比べると明らかにコミュニケーション不足で、荷物を通す際、ペットボトルやパソコン類などの有無は機械を通してから聞かれました。羽田では事前に聞かれたので先にそれらのものを別にすることでスムーズに通れたのですが、はっきり言って二度手間です。地方空港の場合、そんなのんびりとした検査も可能なのでしょうが、帰りで疲れているところにスムーズに事が運ばないというのはちょっとストレスが溜まります。それでも何とか20分前に搭乗口に到着し、夕食のお寿司を売店で購入し、搭乗開始を待っていたところ、今回の旅最大のハプニングが起こったのです。


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