2005年9月 札幌への旅(2)出発

 

 で、ここからはいよいよ旅の内容について書いていきたいと思います。深夜の静岡駅はこれから旅に出るという私と同じような人に混じって、飲んでいて遅くなったサラリーマンや水商売風の方々まで、実にさまざまです。深夜2時過ぎに出るということでこういうことになるのですが、「ムーンライトながら」は全席指定であることは上で書きました。以前、それこそ車掌さんが回ってきて、指定券を持たないでデッキにいる人を強引に最寄の駅に降ろしていた印象があったので大丈夫かと思いながら待っていたのですが、列車が着くと普通にデッキには旅行らしい人たちがいてその場を占領し、私が座る席には年配の女性が座っていました。この方々(女性ばかり3人組)も指定席券は持っていないようで、JRの解釈上こうした利用も良くなったのかなと思いましたが、実際のところはどうなのでしょう。個人的にはそうなった方がわざわざ指定券を買わなくても乗れるのでいいのですが。

 夜行の普通列車というのはどういう乗り心地かといぶかしがる方もいるかも知れませんが、グリーン車並とはいかないものの、リクライニングを倒せば、少なくとも飛行機のエコノミー席より快適です。品川で降りて、京急の始発で羽田空港に着いたのが5時過ぎで、羽田の出発ロビーのうち団体出発ロビーへ出向き、旅行のクーポンと航空券のクーポンを渡すことで、行きの航空機のチケットをもらえました。ツアーといってもホテルにはこちらからクーポンを出すだけで、帰りも同じように団体受付ロビーで帰りの機行機のチケットを受け取るだけというほとんど個人旅行に近いものです。これにレンタカーがからむ場合は現地でレンタカーの受け取りをする必要がありますが、今回は車は使わないのでいたってシンプルです。土曜日の始発便ということでしたが、3列あった私の乗ったシートには隣の人は乗ってこなくて、ゆったりと過ごすことができました。北海道へ行く人には航空会社のキャンペーンとかで、さまざまなお店の割引が受けられ、しかもプレゼントキャンペーンに応募すると、来年一月に二泊三日での北海道旅行が当たるというハガキをセットで配っていました。ただ、日程をよく見たら週末の出発はなく、当たっても行けるのかどうかというのはわかりませんが。

 富士山が見えたと思ったらすぐに津軽海峡を渡り、1時間ちょっとで新千歳空港に着きましたが、そこから今回のコーディネーターである大学時代の先輩宅に電話すると、自宅の最寄駅は札幌ではなく琴似駅だということでとりあえず静岡〜品川間で使った18きっぷを使って移動することに。静岡の方はまだまだ暑くて、長袖では暑苦しいという感じでしたが、列車の窓からホームを見ていると、まるで秋のようにウィンドブレーカーのようなものを着ている人もいます。私がいた二日間はほとんど半袖で大丈夫だったのですが、朝夕はやはり冷えるのでしょうね。

 札幌でしばらく電車が停止し、その間に何と日本一豪華な列車と言われるトワイライトエクスプレスが隣のホームにすべり込んできました。恐らくこれに乗っている人たちは、前日の昼過ぎからゆったりとした旅を楽しんできたことでありましょう。それにひきかえこちらは、ほとんど寝られずに深夜の夜行電車でとぼとぼと出発し、飛行機もエコノミーであっという間と、とても北海道までの旅情を満喫できませんでした。個室を取るのはなかなか大変だという話を聞いたことがありますが、それよりもむしろ、旅情を満喫できるだけの多くの時間をひねり出すこと自体が難しいということもあるのですね。もっとも、列車の旅というのは乗っている時そのものが旅の目的とういこともありますし、機会があれば今度は飛行機ではなく列車での旅を何とか実現したいものです。

札幌時計台 琴似の駅にはもう先輩は来ていて、とりあえずご自宅におじゃますることに。札幌近辺を回るには車では大変なのでということで自転車で行くことになりました。北海道大学のポプラ並木を通って、赤レンガ庁舎・時計台・大通公園・テレビ塔と、いわゆる観光スポットを回り、東急百貨店に来ているという全道の道の駅名産展なるものにも寄りました。その後、大通り公園で開催されていた札幌市内のさまざまなホテル・レストランが出店した食の催しも一通り見ることに。自転車を使って実感したことには、歩くよりも時間かかからず遠くまで行けて、市民の多くが自転車を夏の間は目一杯使うのもわかる気がしました。しかし、これから駐輪場が有料になるそうで、観光客がおいそれと自転車を借りて、今回の私のように縦横無尽に街中を走れるかというと、ちょっとわからない感じがします。街を見た感じ、それくらいしないと溢れるように置いてある自転車がどうにもならないような気もしますが、自転車やバイクを人はなぜ使うかというと、やはり自動車と違って気楽に置いて行動できるからというのがあります。私の住む静岡でも自転車はものすごい多いですし、今回の旅でも自宅から静岡駅までバイクで来たのですが、有料駐輪場には停めませんでした。それは、有料の駐輪場には営業時間があるからで、深夜発深夜着という今回の日程では有料駐輪場に入れようがないのですね。それでも駅の近くに一部だけ無料の駐輪スペースがあるので、何とか旅行中停めておくことができましたが、これらのスペースがなく、すべて有料になってしまったとしたら、それは不便になってしまいます。札幌市内を回っていてポスターが貼ってありましたが、もう10月から、屋内・月1500円、屋外・月1000円(確か先着順)で、一時利用は一回100円とほとんどこちら静岡と同じ料金体系のようです。不法駐輪に対してはすぐに撤去するようなのですが、札幌市がどのような形で自転車の管理を行うのかわからないものの、個人的には観光客が自転車で観光地を回れるような仕組みを考えて欲しいと切に思うのであります。


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