2005年9月 札幌への旅(1)準備編

 

 今回の旅は普通の旅とはそのきっかけからして違っていました。本社は東京ですがこちら静岡で生産したお茶を作っている伊藤園のキャンペーンで、歌手の平原綾香さんのプレミアムライブチケットが当たるというキャンペーンがあったのですが、ペットボトルに張られているシールを3枚(ということは3本)手に入れると一回抽選できる権利が発生する応募番号があったのです。たまたま手元にシールの張られたペットボトルがあったので、時間をかけて3枚集め、それでとにかくインターネットから抽選してみました。3つの封筒(色違い)を選ぶと当落がわかる仕組みになっているので、まあお茶だから緑でしょうと選んだところ、次の瞬間「当選おめでとうございます」の文字が。こんなにも自分はくじ運が良かったのかと思いましたが、これが実はとんでもないミスをしていたことに後で気付くことになります。

 ほどなくしてチケット引き換え券なるものが宅配便で届きました。その時は静岡からいちばん近い東京の土曜日分のチケットだと信じて疑いませんでしたが、じっとその文字を見ると土曜日ではあるものの、そこにはなぜか「札幌」の文字が。これは本当に会場選択の画面で間違ったのか、それともその時シャレで札幌会場を選んだのかは今となってはわからないのですが、とにかく送られてきたのは札幌でのチケットであるという現実は変わりません。オークションで売るという選択もあったのですが、入場時に本人確認が必要な場合もあるということで、ネットオークション対応もそれなりにしている印象があったので、それより札幌近辺に住んでいる知り合いの中で好きな人がいたら行ってもらった方がいいのではと思いました。札幌市内にいる人ということで、最終的に昔からいろいろお世話になった大学の先輩のところに電話してみました。その方は出張が多いとのことでしたがたまたま家にいて、そこで話しているうちに、なぜか私が札幌まで行くような話になってしまったのです。北海道へという場合、今では飛行機以外の交通手段は考えられませんが、当時はぎりぎりバーゲンチケット(特割)の一般受付期間で、キャンセル待ちをすることで片道12,000円くらいでチケットが取れるという計算もふと頭をよぎった事も確かです。それにここのところ飛行機といえば沖縄ばかりで、なかなか北海道には行けずじまいでした。そんなわけで何となく北海道行きを決めてしまったのでした。

 ANAの特割で航空券を購入した場合、一日限定ながらかなりフリー区間のあるJRの「北遊きっぷ」というフリー切符が格安で購入できます。帯広や富良野・旭川、室蘭などかなり広い範囲で特急を使えるのに3000円という安さですから、始発便が取れれば、当日でもちょっと足をのばすことが可能です。そんなわけで、まずANAで羽田発の一番機についてキャンセル待ちの予約を入れました。帰りは各種割引を導入して14,000〜16,000くらいなので、交通費だけで3万くらいとやはりお金はかかります。ホテル代を入れるとどうしても4万くらいまずはかかってしまいます。それもしょうがないかと思いつつ期待していた特割は、残念ながらキャンセル待ちで取れず、新たな選択を迫られることになってしまいました(;_;)。

 差し当たって選択するのは、個別に航空券とホテルを予約するか、往復の飛行機のチケットとホテル代がセットになっていて、一人での利用が可能なツアーにするかです。日程は連休とは関係ないと言っても土・日曜です。いろいろ調べていたところHISのドーミーイン札幌というインターネット利用可能・数多くのお風呂がある繁華街のホテルセットが目に付きました。39,800円という値段は1名では安く、HISは静岡にも支店があるのでいいかなと思ったのですが、よくよくホームページでの説明を読んだところ、支払い方法は現金のみで、クレジットカードは自社発行のものに限るというではありませんか。できればクレジットカードで決済してポイントを貯めたいと思っていましたし、そのクレジットカードのポイントを航空会社のマイルに変更可能になったということで、このHISのツアーは却下となりました。この時点でかなり根を詰めてネット画面と格闘していたのですが、改めて個別手配かツアーの利用かと迷いつつインターネットをウロウロしていたところ、インターネットの特別料金というのでやっている日本旅行のサイトが目に付きました。こちらの方はさまざまなクレジットカードでの決済ができ、ホテルはちょっと中心街から離れた札幌プリンスタワーですが、部屋ではインターネットが使い放題というのが嬉しく、価格も39,800円でほぼ最安値の横並びだったので決めてしまいました。ただ、このツアーではマイルは付かず、便の方もぎりぎりにならないと決まらないという事でした。

 安いとはいっても4万の出費はかなり痛いものです。いざという時の蓄えを切り崩してもよかったのですが、今持っていて全く使っていず、これからも使わないだろうなというとあるものがあったので、それをネットオークションで売って旅行資金を稼ぐことにしました。こういう場合、皮算用のようにはうまくいかないものです。3万以上で売れるだろうと思っていたものが結局2万円ちょっとにしかならなかったので、もう一つ別のものを出したらそれが単体で2万円で売れました。別にいざという時に売ろうと思って持っていたわけではないのですが、これでとにかく旅行費用は何とかなったわけです。

 次に考えることは羽田空港までどうやって行くかということです。格安ツアーの常ということで、朝早く夜遅くというのは仕方のないことです。静岡から出て始発の機行機に間に合うようにするにはどうするか。それは東海道線を深夜に走る夜行列車「ムーンライトながら」を使うことです。この電車は全席指定なので、一ヶ月前に座席の予約をしておかなければなりません。行きに乗る9月10日というのはJRの普通列車乗り放題きっぷ「青春18切符」利用可能な最終日ということで指定席券の争奪戦が予想されました。しかし午前中に申し込んで、何とか静岡から熱海まで(一部の車両は熱海から自由席になるものの、座り続けていれば終点の東京まで全く問題なく座っていけるのです)の指定席が取れました。これでツアーの航空券が始発でも対応できることになります。あとは帰りにもし新幹線が終わってしまっている時間に着くような飛行機になってしまった場合の帰りの「ムーンライトながら」の指定券と、行きには静岡〜品川だけでなく千歳空港からのJR移動に使えるので「青春18切符」の一回分を何とかして入手できれば完璧です。指定券の方は18切符の期間が終了してからのせいか、問題なく取ることができました。ただし購入時、翌日から利用するように横浜0時11分発という風に指定することで、土日利用だと510円かかるところが、310円で済みました。細かいことですが、こんな知識を知っているだけでお金が節約できます。特に今回は帰りの指定券というのは、以降の行程を証明するものとしても使えましたので、乗車券は後で買うとしても、指定席券は事前に買っておくというのをお勧めしておきます。

 18切符は金券ショップで売っているのですが、一回分だけというのはなかなかありません。しかも今回は最終日ということなので、店頭にいつ出るのかもわからない中、インターネットを使って手に入れることにしました。5回分で11,500円なので単純に5で割ると2,300円ということになります。金券ショップでは2,500円で買い、申告分の回数を使って余った分を返すことで返金を受けるというシステムになっています。インターネットの専用掲示板では詐欺などに気を付け、うまく交渉できれば2,300円プラス送料で入手できます。今回私が使ったのはネットオークションで、更に安くという風に網を張っていたところ、ぎりぎりの到着ということになりましたが2,000円以下で入手することに成功しました。これだけ節約しても現地でいろんなものを食べたり、お土産を買ったりしたら7〜8万くらいに簡単になってしまいます。これからはネットマイルを使って無料航空券をゲットしようと思っているので、もっと安く行けるようにはなると思いますが、やはり旅に出るというのにはお金がかかるものですね。


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