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ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート2010

 東北や日本海側を中心に大荒れの年越しだったようですが、こちら静岡は多少の風はあるものの穏かに明けました。本年もよろしくお願いします。

 さて、今年もウィーン・フィル ニューイヤー・コンサートがやってきました。指揮者のジョルジュ・プレートル氏は2008年以来の出演となりましたが、何と85才であの元気さとすっと立った姿勢にびっくりしました。ついついこちらも姿勢を正しながら二時間超のコンサートを楽しみましたが、曲目にお菓子のボンボンやお酒のシャンパンが入った曲があり、本当に曲の中でシャンパンの栓を空けてしまうなど趣向も十分に楽しむことができました。アンコールの「美しき青きドナウ」は緩やかなドナウ河の流れのようにじっくりとためるように演奏されたのが印象に残りました。続きを読む

スポーツ大陸 大逆転スペシャル「絆でつかんだ栄冠~長野五輪 ジャンプ団体~」

 来年は早々から冬季オリンピックが開催されるということで、テレビ番組も過去の冬季オリンピックを題材にしたものをこの時期放送しています。その中でも長野オリンピックのジャンプ団体は実に印象に残るシーンの連続でしたが、中継映像のみではわからない競技の裏側、テストジャンパーに焦点を当てたというこの番組は、実に興味深く視聴することができました。続きを読む

スペシャルドラマ 坂の上の雲

 このスペシャルドラマについては、それほど言うこともないのですが、前回の初回と今回についてちょっと期待していたことがあります。主人公の秋山真之と、重要な登場人物である正岡子規と共立学校から大学予備門という同じルートをたどった南方熊楠が出てくるのかということです。今回は大学予備門の入学後、夏目漱石や山田美妙といった人物が秋山とは違う秀才としてドラマに出てきました。そうなると、神童伝説が数々残る熊楠の登場の期待はいやがうえにも高まったのですが、期待に反して全くの空気というか、熊楠と思われる学友すらこの2回には登場しませんでした。続きを読む

金曜ドラマ 行列48時間

 ここにはあえて書いていませんが、民放の2時間物のサスペンスはかなりの数を見ています。そうした中から「相棒」や「浅見光彦シリーズ」が連続ドラマへと昇格していった今年の後半ですが、そういった謎解きドラマの陳腐さを圧倒的に再確認させてくれたのが今NHKBS2とハイビジョンで再放送されている「刑事コロンボシリーズ」だったりします。コマーシャルタイムはカットされても賞味2時間弱の謎解きと、その半分の時間にすべて詰め込まなければならない作り手の大変さは理解できますが、一話完結ではコロンボにはとうていかなわないという印象です。だからといって、スペシャルドラマとして脚本も演出も十分に練られたはずの、古畑任三郎シリーズも、オリジナルを決して凌駕することはできないわけで。

 そんな中、これをサスペンスドラマというには多少躊躇するものがあるものの、6回シリーズの「金曜ドラマ 行列48時間」はコロンボのような謎解きではありませんが、藤田宜永さんの原作をテレビ向きに演出し、最後まで飽きることなく面白く見ることができました。今のところ、私の見た中では今年ベスト1のドラマです。続きを読む

天地人

 今年の大河ドラマが本日終わりました。好きな武将の一人である直江山城守兼続の物語ということでかなり期待していたのですが、期待しすぎた分残念な結果に終わってしまいました(^^;)。キャストの人選はまだしも、脚本の内容について大変失望してしまいました。こんな内容は今回の大河ドラマだけだと思いますが、折角なので思うことを二三書いておこうと思います。続きを読む

笑神降臨「友近」

 番組のホームページの内容によると、今回の企画は、お笑い芸人の友近さんが「フェイクドキュメンタリー」をやってみたいということで、NHKのお昼の番組『スタジオパークからこんにちは』のパロディーをされたのだそう。見ていない方のために簡単に説明すると、架空の女優になりきった友近さんが、司会進行役の元テレビ静岡のアナウンサーと台本なしのアドリブで、本家スタジオパークからこんにちはのスタッフの協力の下、完成度の高い作り込みをしながら(恐らく友近さんという芸人を知らない人が見たら、再放送と一瞬思ってしまうのではないかというくらい作り込んでいました)、淡々と進行していくというものでした。これが果たして面白いのかというのは見る側の感性によるところも大きいので面白い方には面白かったのではないかと思うのですが、少なくともこのパロディは牙を抜かれた虎のように毒がなかったという印象でした。そこらへんはいかにもNHKらしいと言えなくもありませんが、同じパロディでも本家の痛いところをえぐりとるようにさらけ出したテレビ朝日系列の「アメトーーク! 」でやった企画『徹子の部屋芸人』と較べるとその差は明らかでした(確か、まだ徹子の部屋に出ていない芸人のため、友近さんが黒柳徹子さんの扮装をして出演していましたね)。続きを読む

月曜ゴールデン 秋のスペシャル企画 西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ42 九州ひなの国殺人ルート

 ブログの日付は書いた日が基本なのですが、具体的なテレビ番組について書く場合、放送日を基準にしています。昨日の日付けになりますが、実際これを書いているのは9月29日となります。なぜこんなことになったのかというと、これから書く内容について、どうしても原作の確認がしたかったからです。西村京太郎著『イヴが死んだ夜』を元にした脚本はどこまでを原作の設定で書かれているのかという事なのですが、私が気になったのはある登場人物の設定にありました。続きを読む

ウェークアップ!ぷらす

 今回話題にさせていただく「ウェークアップ!ぷらす」を放送している日本テレビ系列の番組で、同じ辛坊治郎氏が司会を務める関西発「サプライズ」でこんな事がありました。
(以下番組ホームページの放送内容紹介の内容を引用させていただきます)

言葉の使い方、間違っててもいいじゃない!!
「破天荒」の意味を6割超の人が勘違いをしている、ということが文化庁の調べでわかった。言葉の意味は、時代に合わせて変化していくもの…間違った意味でも、みんながそう認識しているならそれでいいじゃないか!という怒り。

(引用ここまで)

 番組内(サプライズ)ではコメンテーターの勝谷誠彦氏が「破天荒」の意味を、中国の故事にある、『天荒(天地がまだ混沌としてひらけない状態)を破ることで、人がまだやっていないことをやってのけることを言う』という事をしっかりと解説していました。私個人の印象ではいい意味で使われるべき言葉だと思います。本日のウェークアップ!ぷらすで紹介されていた戦国武将は破天荒な人物の宝庫で、畏敬のまなざしで見られるような人物に使われるのが言葉の意味に忠実な使われ方ではないかと思います。今回不思議に思ったのは、これらの事情を当事者としてわかりすぎるほどわかりきっている辛坊治郎氏が司会を務めている番組VTR内で使われた「破天荒」という言葉の使われ方でありました。続きを読む

あなたの街で夢コンサート 渋谷毅

 テレビ局も秋の改編期に入り、バラエティ番組中心のラインナップになっています。スペシャル番組好きにはたまらないのかも知れませんが、個人的には御勘弁いただきたいということで新聞のテレビ欄を見ていたら、何と出演者のところに「渋谷毅」の文字が。何かの間違いかと思いましたが(^^;)、渋谷さんのピアノが、しかも東京フィルとの共演で聴けるチャンスなどお金を出してライブにいったとしてもそうそうあるものではありません。渋谷さんのブログを読んだら、オーケストラと共演できるなんて本人も思っていなかったとのこと。そういうわけで期待しつつ見たのでありました。続きを読む

土曜プレミアム・特別企画 戦場のメロディ

 以前、渡辺はま子さんの「何日君再来」についてのテレビ番組について書いたことがありましたが、今回は「ああモンテンルパの夜は更けて」に関する関係者の証言を交えたスペシャルドラマということで、期待して見てみました。キャストで渡辺はま子役が薬師丸ひろ子さんというのはちょっと違うのではないかと思ったのですが、ドラマのクライマックスでの歌唱部分は、幾分迫力は薄れるものの、声の質が似ている気もして、そこそこちゃんとしたキャスティングなのかという感じでした。こういうのは近年めずらしいですね。別の局の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」などは疑念の余地がないほど芸能事務所との関係が強いと感じられるようなドラマで全く見る気になりませんので(^^;)。前の日記で書きました殺陣師の中村和光氏のお話の中で、それこそ渡辺はま子さんが挿入歌(いとしあの星)を歌われてヒットした当時の国策映画『白蘭の歌』を監督された渡辺邦男氏の話になり、

「引越しのサカイのコマーシャルに出てた人(徳井優氏)が監督にソックリだから、ぜひ今のうちに渡辺邦男一代記を作った方がいい」

 とおっしゃっていたのをここに書きたくなりました。芸能事務所とテレビ局の関係はいろいろあると思いますが、放送日のみ話題にされるものではなく、後々まで残る番組を作るためにも、メインキャストくらいはちゃんとした方が私もいいと思います。ちなみに、それぞれの写真があるサイトは続きの部分にありますので比べてみてください。続きを読む