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ワールドカップはまだ続く

 日本チームにとってのサッカーワールドカップは終わってしまいました。日本国内ではワールドカップ前から三戦全敗という予想が多かったというのは、自虐的というよりも多くの日本の人たちが世界のサッカーとはどういうものかというのをわかっているからに他なりません。続きを読む

もう一つの日本サッカー

 この時期はどうしてもサッカーワールドカップの話題になってしまうことをまずお断りしておきます。昨日韓国は相手の退場もあって勝ちましたが、実はこれはものすごいことだということをご存知でしょうか。2002年のワールドカップで韓国はベスト4になり、日本も予選リーグを勝ち抜きましたが、実はそれまで東アジアの国の中でワールドカップ勝利を挙げたのはイタリアを倒しベスト8まで進んだ北朝鮮のみでした。その後、韓国は出場するものの惨敗に次ぐ惨敗を続け、自国開催以外のワールドカップで勝利を挙げたことはなかったのでした。続きを読む

一次リーグ敗退かも知れませんが

 恐らく多くのサッカーワールドカップを見た日本チームを応援する方は残念だと思っていると思います。冷静に考えると、こういった展開は予想できたわけなのですが。試合展開を見ていく中で、日本の攻撃の貧弱さというのが実に際立っていました。暑さで疲労がたまっていたということもあるかも知れませんが、パスはつながらないしシュートもほとんど期待できないような感じになっていて、これはもしこのまま勝ったとしても残り2試合はまずいのではないかと思っていたところ立て続けに3点を献上してしまいました。続きを読む

一喜一憂はやめよう

 今の世の中で、明るい話題はサッカーのワールドカップしかないとばかり、連日その練習であるとか、予選リーグで対戦する国の話が入ってきています。クロアチアがオーストリアとやった練習試合について論評もありますが、少なくとも日本とオーストラリア・クロアチア・ブラジルの中では日本が一番戦力的に劣るということは確かなのですから、今あやこれ言うよりも、ジーコ監督の当日の采配を楽しみに待つしかないでしょう。続きを読む

マスコミの怠慢? について

 今日のWBCに関する話を書く前に、西武から念願の大リーグへ移籍した森投手が肩の脱臼で今季絶望とのニュースが入ってきました。本人はさぞ無念であることでしょうし、来年以降どうなるかということを考えてもかなり不安になる事だと思いますが、今後再起するためにもじっくりと回復をはかっていただきたいものです。

 それにしても、今日のキューバのゲームもかなりスリリングなものでした。エラーも出て、本塁上でアウトと取られても仕方のないようなジャッジを何回も際どくすり抜けたりして、まさに紙一重といった感じの勝ち方でした。逆の展開(キューバに初回先制されて常に追い掛けるような)だったら、日本チームは同じようにキューバを追い詰めることができるかどうか考えると、やはり地力はキューバの方が若干上で、今回はたまたま勝ったという気がします。しかし短期決戦で決まる大会ではこんな事もあるということで、見ている方としてはハラハラしながらも最高の結果になって良かったですね。

 今回、日本のチームにおいてもオールスターとはならず、日本人メジャーリーガーの中でもチーム事情か個人の意志かわかりませんが、出ない人もいました。そんな中で、非メジャーリーガーが活躍し、キューバにいたっては全て国内リーグの選手たちです。結局のところ、メジャーリーグの優勝決定戦というのを「ワールドシリーズ」と純粋な意味で呼べなくなったという結果が出て、多少なりともアメリカが変わってくれるかなというのが正直な気持です。敗戦を謙虚に受け取め、次回へ向けてしっかりしたプランをアメリカが出してくれば、それこそ日本はかなわないかもしれませんが、ますますこうした国際大会の価値が上がるというものです。

 そんな中で一つ苦言をば。今回の勝利でさまざまな人たちからお祝いの言葉が出てきていますが、ヤンキースの松井選手、ホワイトソックスの井口選手、カージナルスの田口選手、マリナーズの城島選手など現役のメジャーリーガーの肉声というものが全く聞こえてこないのはどうしてでしょう。私は今大会を辞退した選手たちがこの優勝をどう思っているのか知りたいですし、そうした事に突撃取材をしなくてマスコミは一体何をやっているのかと。

先のある真剣勝負が見たい

 まさにタナボタで転がり込んできた準決勝戦で、ようやく韓国に勝ったWBCの日本チーム。テレビでは普通の人にインタビューをしたものを垂れ流していて、何か勝てば何でもいいのかと思ってしまったりして。個人的にはナショナリズムには関係なく、いつも見ている選手が活躍しているのは見ていて面白いのですが、今回の世界大会には問題が多すぎです。新聞報道によると、2次リーグの日本対韓国戦はテレビ中継がスポーツチャンネルのスペイン語放送しかされず、三大ネットワークはバスケットボールの大学生の試合をその時間に流していたとか。ホスト国でそれだけ冷遇されているという状況、そして今回決勝へ進出したキューバチームは、ぎりぎりまで大会に参加できるかわからなかった事など、まさに傍若無人なアメリカに対し不満をぶつけてきた国が残っているというのは実に興味深いところです。

 今回日本選手団に参加していないニューヨーク・ヤンキースの松井選手やシカゴ・ホワイトソックスの井口選手は、いろいろあったものの野球の世界一はこの大会ではなく、あくまでメジャーリーグのワールドシリーズで決まると判断しました。イチロー選手は自分のチームがワールドシリーズを狙えないと思っていたふしはあるものの、この大会はワールドシリーズに匹敵する権威を持たせたいと判断しての参加でした。この大会が終わると日米でプロ野球が開幕するわけですが、実のところ日本でメジャーリーグが盛り上がるのか、ちょっとわからないなと思えるようになりました。

 はっきり言って、日本のプロ野球にとってはかなりの追い風ではないかと思います。早いところアジア連盟をまとめて、日本・韓国・台湾・オーストラリアのクラブチーム対抗戦あたりをすぐ行なえるように手配すべきです。将来的にそこで勝ったチームとメジャーリーグのワールドシリーズ制覇したチームがエキシビジョンでも何でも雌雄を決することができれば更に面白いような気がしますが、そうした「先の希望」を作ることで、真剣勝負が増え、それが多くの人を引きつけることになるということは今回の大会が証明しています。明後日の勝負は時の運でどう転ぶかわかりませんが、全力を出していい試合になってくれるといいですね。

WBCの今後

 今日の朝、WBCでの日本対アメリカ戦を見て、日本の「野球」とアメリカの「BaseBall」とはかなり違うなと思った人も多いことでしょう。タッチアップの離塁が早いという抗議が通った時のアメリカチーム監督のガッツポーズというのは、日本の「野球道」とは相容れないものでした。
 
 日本ではその昔、旧制一高の選手が試合中、審判が自分に有利な判定をしたにも関わらず、自分で判定が間違っているといって、自ら審判の判定を覆したことが美談として長く伝えられていました。まあ、そうした美談の押しつけが、高校野球の駒沢大学苫小牧高校を出場辞退にまで追い込むような日本独自の野球道へとつながっていくのですが。アメリカの方はそうしたわけのわからない思想の押しつけがないかわりに、勝つためなら何をやってもいいとまではいいませんが、かなりエキサイトして勝利に向かって突っ走るような感じがあります。
 
 それにしても今回の試合は後味が悪いものでした。近くで見ている審判のジャッジを遠くで見ていた審判が訂正するというのは、私も見たことがありません。もし監督が王さんでなかったら、選手を引き上げさせて没収試合も辞さないようなやり方もあったかと思いますが、王さんはやはり野球道の考えをしっかりと持っていらっしゃったのでしょう。ここは耐え忍んで、この後2連勝してぜひ準決勝でアメリカに雪辱したいと強く思っていることでしょう。
 
 その事とは別に、これら一連の審判とのトラブルというのは、WBCという大会そのものにとってとても危ういものです。今回の審判団は、マイナーリーグの審判が中心ということで、レギュラーシーズンで厳粛に選手や監督に対応してきた人たちはジャッジをしていません。今日の日本との試合でのジャッジを見ると、これからアメリカと対戦するチームは、頭のどこかに、もしかしたら自分達に不利にジャッジされてしまうのではないかと思ってしまうかも知れません。それが、全く普通のジャッジであったとしても、もしその結果アメリカに有利な判定が出たことがきっかけでキューバでもドミニカでも切れてしまって大乱闘なんて事になったら、大会の存続だけでなく、野球の世界的普及という元々の目的さえ危うくなりかねません。確かに大会前から多くの問題点が指摘されていましたが、これ以上ごたごたが起こらないのを祈るだけです。

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