この国の法務省は10月11日、大阪地検特捜部の前田恒彦容疑者を、最高検が起訴するのに先立ち、11日付けで懲戒免職としたそうです。あれだけいろいろ検察の捜査のやり方について批判を受けたにも関わらず、推定無罪の原則を全く無視するような処分の仕方をするとは、全くもってとんでもないですね。
個人的にもう、密室で取調べを受けた内容について、「関係者の話では」という形で入ってくる情報はそのまま信じる気にはなれません。もしかしたら裏にもっと悪い奴がいて、前田容疑者はその意を忠実に実行に移しただけかも知れません。郵便不正の大元は誰なのかを含めて、事件の全般は公判で明らかになることなのに、ちょっと処分が早すぎないのかなというのが偽らざる気持ちです。上司の証言と食い違っているのも気になります。
以前のようにテレビや新聞を使って情報をリークし、世論を巧みにコントロールしようとしても、そううまくいくかどうか。ともあれ、懲戒免職にした法務省の処分の仕方というのは、今後も逮捕されれば裁判で有罪になったわけではないのに、起訴された時点ですでに99.9パーセント有罪だよという今までのやり方を引き継ぐ決意とも見えました。今のままなら、いくらでも現場の裁量で個人を破滅に追い込むことができるということになるので、対策としてはせいぜい権力を持った人に恨みを買わないようにつつましく生きるぐらいしかやりようがないというのも悲しいものです。全く他の国家を独裁だ人権がないなどと、声高に非難することもできないくらい、今の政府はとんでもないところに向かって行っているということですね。