民主党の党首を決める選挙戦の火蓋が切られ、今日は小沢一郎氏が朝と夜のテレビに生出演し、コメンテーターの質問に答える形で意見を主張されていました。新聞・テレビ・雑誌などのマスメディアは現首相の菅直人氏を持ち上げると言うよりも、対立候補の小沢氏の「政治と金の問題」の説明責任をということで論戦を張っています。そんな中、この番組で小沢氏は非常に興味深い話をしました。小沢氏の逆襲とでも言うべき事なので、多少興味本位ではありますが紹介することにします。
コメンテーターから今のままでは財源が不足しているので子供手当てにこれ以上お金は出せないのではないかと突っ込まれ、小沢氏は今までの予算の組み方を根本的に見直し、自由に使えるお金を地方に直接下ろすことで、地方公共団体の裁量で使えるようにすればそれだけでも無駄はなくなるという主張をされました。その具体的な例として、今までは地方の工事であっても大手や中堅の建設会社が工事を受け、地元の建設会社は下請けでしか関われなかった点が問題だとし、直接地元の建設会社が仕事を受けられるようにすることで地元の経済を活発化させる方法もあると説明されたのでした。
この点については、小沢氏の言うような地方へ自由に使えるお金がわたるような仕組みができたとしても、そのお金を使う地方公共団体が従来の建設会社を指名するようなやり方を続けるなら今までと変わりません。小沢氏がこういう言い回しで暗に誘導するのは、せっかくの巨額の税金を工事場所とは関係ない建設会社が飲み込んで、地方にはその絞り粕だけが渡されるような事をやめようということなのです。
小沢氏がさんざん政治と金の問題で言われてきたところに、水谷建設や西松建設の関係者から違法な政治献金を受け取っていたのではないかというのがあります。結局、検察は小沢氏側の秘書を逮捕までして調べたものの、政治献金の件での立証はできず、別件で起訴しようとしているというのが現在の流れなのですが、今日のテレビ出演で、戦々恐々としているのは今まで多くの政治家に政治献金を行なってきた建設会社の担当者なのではないでしょうか。
そういうわけで、これからは今までの既得権益を受け続けてきた人たちが更なる反撃に出てくることは想像に難くありません。どちらが有利かというのは、はっきり言って私にもまだわかりません。あの関が原の戦いで十分根回しをして戦わずして勝てるだけの準備をした徳川家康でさえ、小早川秀秋の裏切りが成ったおかげでようやく勝てたのですから、今回の選挙でもぎりぎりになって裏切り者が出た方が負けるとしか言えないですね(^^;)。今回の選挙では当事者だけに注目が集まりがちですが、民主党の議員の中で日和見を決め込んでいる人たちや、日ごとに言っている事がコロコロ変わる人たちにも注目していきましょう。また、選挙が終わってからの言動の一貫性にも注目したいところです。どちらが勝つにしても、政治家としてと言うより、一人の人間として信頼できる人であるかどうかということもこの選挙の中ではっきりしてくるような気が私にはしています。