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桑田真澄氏の発言を聞くべき人たち

 私の住んでいる静岡でも、この炎天下高校野球の地方大会が真っ盛りで、野球に興味のない人以外は盛り上がっているようです。そんな中、先日ついこのブログで酷評してしまった朝日新聞のオピニオン欄に、元パイレーツの桑田真澄さんのインタビューを元にした高校球児に向けたコラムが掲載されました。インターネット上でも「桑田真澄 球児たちへ」というキーワードで検索すれば読むことができますので、ご一読されることをお勧めします。続き

 全国の高校野球の頂点に立っていたPL学園の練習を当時の桑田選手がさぼっていたという事がまず驚きだったのですが、学生の頃からの想いを現在も継続し、今後の野球界の事を考えている桑田氏は日本の野球界にとって必要とされる人物だということはこのコラムを読めばおわかりでしょう。しかし、いろいろなところから引く手あまただと思われる桑田氏は、なぜ現場に復帰しないのかとも思います。それが、先日報道された一つのプロ野球に関するニュースによって私にもわかってしまいました。今の日本の野球の頂点であるプロ野球界において、いまだに前近代的な指導というかシゴキが行なわれいるということは俄かには信じられませんでしたが、埼玉西武ライオンズの大久保博元2軍打撃コーチの行動が報道されている通りだったとすると、まさしく桑田氏が指摘する批判されるべき指導者の行動にほとんど当てはまるのですね。今の日本の野球をする環境と言うのは、全てにわたって統一された指導環境というわけではなく、体罰や先輩後輩の区別なく、のびのびやらせる方針で好成績を上げているところもあります。しかし、そうして活躍した選手たちが必ずしも上の環境で活躍できないというのは、本人の才能ややる気のみにあるのではなく、上の環境の指導方針によるところもあるのではないでしょうか。西武ライオンズに鳴り物入りで入団した菊池雄星選手がもし、こうしたコーチの引き起こす問題行動によって成長し損ねていたとしたら、契約金を大盤振る舞いした球団としても大きな損失でしょう。

 現在、そういった意味でもっとも厳しい目で見られているのが大相撲の世界だと思います。しかし、表には出てはいないものの、野球やサッカーなどでもさまざまな構造的な問題があるのではないかと推測します。桑田氏の言動はこれからも注目されていくでしょうが、旧態依然とした野球界を一人で変えることは俄かにはできないでしょうね。恐らく、現状でプロ野球の現場に入ったとしても、大相撲の貴乃花親方のように孤立する危険性を感じているのかも知れません。スポーツ観戦によって一喜一憂するファンは、こうした裏事情が明らかになってくれば自然と遠のいていきます。ひところよりプロ野球人気に陰りが出たのは、球団消滅騒ぎに端を発した球界裏事情の露出によるところ大だと思いますし、スポーツに携わる指導者の方々こそ、桑田氏の言葉に耳を傾けるべきだと思うのですが。

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