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見出しの功罪

 昨日書きました登呂遺跡の遺跡損壊事件ですが、世間の人たちはどんな反応をしているのかいろいろ見てみました。案の定というか、中学生の悪ふざけににそんなに目くじらをたてなくてもといった論調も掲示板やブログで見ることができました。なぜそんな論調になるかというと、この事件を報じた新聞記者の見出しの付け方にその原因があると思っています。続き

 昨日はあえて書きませんでしたが、産経新聞がこの事件を報道した見出しは、

「登呂遺跡でチャンバラ! 復元住居破壊容疑の男子中学生4人を送検・補導」

 でした。他の新聞も「チャンバラ」という言葉が一人歩きをしているようで、「かやぶき屋根に上り、かや材約500本を引き抜いたり、屋根を支える木材約35本を折る」というような重要な情報自体が記載されていなかったり、きっちりと記事を読まなければわからないようになっています。ちなみに、登呂遺跡では以前は夜中でも割と出入りが自由で、竪穴式住居内にも入ることができた時代もあったようですが、以前住居の中で火遊びをした輩がいて、遺跡が一軒まるまる焼けてしまった事件があったことで、住居入口にはカギがかけられるようになり、周辺の方の目もこの種の悪ふざけには大人小人問わず厳しくなっているように思います。

 小さなローカル向けの新聞記事であっても、それがネットで紹介されることであっという間に日本全国に広がってしまう可能性があるのが現在の状況の恐ろしいところなのですが、だからこそ書く人の意識が問われることにもなるのです。自分の書いた記事が多くの人に読まれたいと思うのは結構ですが、見出しとその内容に違和感があるような記事というのは多くの人たちに混乱を与えます。翻って私も、インターネットの記事の見出しだけで全てがわかったような気になるようなことは今後極力避けたいと思っています。

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