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政治と金について説明しない人たち

 世の中に印象操作という言葉があります。本日午後9時NHKのニュースの一番初めに放送した映像は、レジャーランドにおけるジェットコースターが急降下するものの次にバンジージャンプで飛び降りるというものでした。これは何かと思ったら民主党鳩山内閣支持率が、NHK独自の数字で20パーセントそこそこになったことのイメージ映像だったのでした。
 こうした電話による世論調査の信憑性については、いきなり電話がかかってきて何の謝礼もないのに律儀に回答を寄せる方々のサンプルを集めているということから、批判的にマスコミの報道を見ている人ではなく、人の話や連日繰り返される報道の論調に影響を受けやすい実に率直な方々の動向をよく示していると言えます。加えて言えば、そうした人たちはほぼ例外なく選挙の日にはきっちりと投票所に足を運ぶため、7月の参議院選挙における動向についてもこうした世論調査の数字は信ずるに足る部分もあります。裏を返すと、マスコミの報道如何によって簡単に報道されるような世論は形成されるということでもあるわけです。続き

 鳩山政権および民主党への好意的な見方が変わるきっかけになったのは、ご存知の通り小沢幹事長や鳩山首相に関する「政治と金の疑惑」が大きく報道されたためです。新聞の社説やテレビのアンカー、コメンテーター、政治評論家、はたまたお笑い芸人と呼ばれる人まで小沢幹事長には説明責任があるから証人喚問に応じるべきだという大合唱が起こりました。この件についてはまずは裁判の行方を見守るべきという意見もありますが、裁判で白黒つける前に白状しろといったことなのでしょう。となると、テレビでそうした発言をしている方たちも自らについての疑惑に答えるべき責任が出てくるのではないかと思います。

 ニュースなどではほとんど出てきませんが、自民党の野中広務元官房長官が現職時代にやったという官房機密費の使途について驚くべき発言をしました。さまざまな付け届けの中に、

「評論をしておられる方々に盆暮れにお届け」

 というものも含まれていたとのこと。具体的にだれにいくらやったのかまでは明かさなかったものの、国民の税金がテレビで政治の事について発言している人に領収書なしで行っていたというのは驚きとともに一つの疑惑が持ち上がってきます。

 自民党政権時にこうしたお金をもらっていた方の中には現在もテレビ・新聞・雑誌などで評論活動をされている方もおられることだと思います。そんな人の中に例の小沢幹事長について説明責任を果たせと語気を荒げてせまった方はいなかったのだろうかと。というか、自民党・民主党に限らず政治と金の問題について説明責任を果たせと言われた評論家・タレントの方々はご自身も同様に身の潔白を表明しなければならないと思うのですがどうでしょう。

 テレビ・新聞がこの話題について全く触れないのは、言っている事とやっている事に矛盾を感じているからなのかも知れませんね。そうだとしても、この一件についてははっきりとした説明を聞かせてほしい方々が個人的にはたくさんいます。全うな言論活動をこれからも行なっていこうと思われている方は、ご自身でテレビの前で身の潔白を証明してから政治について語っていただきたいと思います。

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