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SIMフリー化の先にあるもの

 いよいよ、日本でも通信カードを複数の携帯電話、スマートフォンで使い回すような事が現実味を帯びてきたように思います。携帯電話会社も自社固有のサービスで顧客を囲い込むやり方だけでなく、より高性能な、パソコンに近い性能を持つスマートフォンを導入してきています。多くのスマートフォンではいわゆるiモードのような携帯電話に特化したメールは使えずサイトは見られず、おさいふケータイも使えません。そうした端末が各社揃ってくる中で、どこか一社で契約された通信カードを差し替えれば複数の端末(電話機だけではないことに注意)で利用できるようになるというのは自然な流れでしょう。逆に、今ある普通の携帯電話で会社をまたいで利用できるようになったとしても、ドコモの端末でezweb(auのウェブ関連サービス)は現状では使えませんし、携帯独自のサービスを扱う場面についてはあえて他社の通信カードを差して使うような場面というのはそれほど考えられません。今後私がもっとも期待しているのは、携帯できる無線ルータに直差しで使えるような端末が発売されることだろうと思います。まだ日本では一部でしかそんな製品は出ていませんが、海外では割と安価で普通に売られているというのも、今の日本の状況を表しているようで残念です。続き

 現状でも、携帯電話会社の中で一番の通信可能エリアを誇るNTTdocomoのエリアで使えるプリペイド式の通信カードは日本通信がb-mobileSIMシリーズとして販売していますので、導入したカードを何に挿入して使うのかというところで悩みが出てきます。一番単純なのは、日本通信のサイトで動作を確認している機種を入手することです。通信契約の伴わない電話機の購入は普通に携帯電話ショップへ行っても受け付けてくれないので、自然とネットオークションやいわゆる白ロムを扱うショップで中古や新古品を購入することになるでしょう。端末代は通常契約と比べて割高になるでしょうし(見かけの端末代金が安いのは、2年などの継続利用が前提となっているので実はそれほどでもないのですが)、通常契約と比べて最高スピードが300kbpsと抑えられ、動画のストリーミング再生、データのダウンロードにはほぼ実用的に使えないという条件ながらウェブ閲覧やメール程度の事を外で行ないたいというニーズには十分応えられるものだと思います。

 現状でも電話機の中古市場はありますが、携帯電話会社が通信料金の滞納があった端末や盗難品について強制的にロックをかけてしまうということがあり、オークションでロックされた端末を買ってしまって解除できず使えないという問題も最近出てきています。これから出てくるであろうSIMフリーについての話を具体的にしていくためには、どうしても中古市場の整備が必要になってくるだろうと思います。今のようなリサイクルショップなどだけではなく、直営の携帯ショップでも、中古車のように新しいのを購入する際に今使っている電話機を下取りに出して中古のタマを確保し、良品をそれなりの値段で売るような事になれば流れは一気に変わるような気がするのですが。

 最後に、現状で私がかなり期待しているものということで紹介します。MiFi 2372というNovatel Wireless製ポケット無線ルータなのですが、対応する周波数が多く、山間部のFOMAプラスエリアでも使えるみたいなので、このルータを動かしておけば、パソコン、PDA、Wifi対応の携帯電話(iphoneやipadでも通信可能だと思います)を5台まで同時につなぐことができるそうです。日本で技術適合証明取得済みの端末が3万強とちょっと高いですが、日本通信のb-mobileSIM300が半年契約で月々2,500円前後ということなので、使ってみたいと思われる方も多いでしょう。ともあれ、こうした流れは今後も加速すると思いますので、今後の動向をじっくりと見ていきたいと思います。

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