ブログの日付は書いた日が基本なのですが、具体的なテレビ番組について書く場合、放送日を基準にしています。昨日の日付けになりますが、実際これを書いているのは9月29日となります。なぜこんなことになったのかというと、これから書く内容について、どうしても原作の確認がしたかったからです。西村京太郎著『イヴが死んだ夜』を元にした脚本はどこまでを原作の設定で書かれているのかという事なのですが、私が気になったのはある登場人物の設定にありました。
ドラマの内容は、イヴというコールガールが殺され、その身元および犯人の捜索に十津川警部があたるのですが、イヴのアパート近くの花屋の店員にイヴとのストーカー的トラブルを目撃された男というのが、
「テレビでよく見るコメンテーターで経済評論家」
とのことでした。原作ではアパートの隣の住人として歌手という人物が出てきます。ドラマ化するにあたり、あえてコメンテーターの経済評論家という設定にしたのはなぜでしょう。ドラマではこの経済評論家はイヴの相手をよくしており、さらにその件で十津川警部より先にやってきた女性記者を拉致監禁し、逮捕されます。そこでの取調べでイヴの情報を話し、釈放されますが、その後、別の女性を盗撮しその女性にボコボコにされるというなさけない役回りで再登場します。
これらの一連の役回りを見るにつけ、ドラマはフィクションと言いつつもこの人物にはモデルがいるのではないかと見ていた人たちはすぐに気付いたでしょう。私の推論が正しいか念のため、ドラマを見ながら2ちゃんねるの実況版をのぞいたら案の定でした。
(以下2ちゃんねるのとある実況版からの引用ですが、IDは消してあります)
36 :名無しさん:2009/09/28(月) 20:15:35.72
ミラーマンか
37 :名無しさん:2009/09/28(月) 20:15:40.71
ミラーマンキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!
38 :名無しさん:2009/09/28(月) 20:15:50.26
ミラーマン?
(引用ここまで)
番組は20時スタートなので、放送して15分くらいで出てきたことになります。もし再放送などで見られたり、ビデオに録画して見ている方がいらしたら参考にしてみてください。この「ミラーマン」というのは元早稲田大学教授の植草一秀氏の事を指します。鏡を使って女性のスカートの中を覗こうとしたとされ、現行犯逮捕されました。これ以降、コメンテーターとしてテレビに出なくなり、さらに早稲田大学の教授職も解雇されます。この事件については植草氏は一貫して無罪を主張したものの、結局控訴を断念され刑が確定しました。氏はその後に起きた痴漢事件の容疑者として逮捕された事件で、徹底的に無罪だとして争っていましたが、最高裁に上告を棄却され、現在収監されています。裁判の結果からすると植草氏の刑は確定しており、問題ないように思えます。しかし、痴漢事件については周防正行監督の「それでもボクはやってない」という映画でモデルとなった男性も最高裁で上告を棄却され、有罪になっているなど不可解な面も多く、植草氏の有罪について疑問に思っている方もネットで発信するなど議論を呼んでいます。
今回のドラマでは、別に経済評論家のコメンテーターでなくてもいい登場人物に変態的な役割を担わせ、見ている人たちに実在の人物を異常性欲者のような人間だと想像させたという意味で、実に意図的であります。今回のドラマは普通の2時間ドラマではなく、秋の改変期にスペシャル版で制作された3時間ドラマです。一般的に2時間ドラマは制作が完了されても、さまざまなスケジュールによってすぐには放送されません。夏なのに冬だったり、すでに亡くなっている方が元気そうなお顔で出演していたりといったことが起こるのもしばしばです。しかし、このドラマは通常時には放送することはないスペシャル版で、ある程度いつ放送されるかわかった中で作られたものであることが想像されますので、何らかの意図があって作られたものではないかとこちらも少々ミステリードラマの主人公のような邪推もしたくなるものです。
このドラマとは直接関係ありませんが、同じTBSのニュース番組「朝ズバ!」の中でちょっと気になったことがありました。群馬県八ッ場ダムの問題を報道する際、ダム推進の立場で事業推進を願う一般の主婦という触れ込みでVTRおよびインタビュー出演した女性が、何と普通の主婦ではなく、町会議員で八ッ場ダム対策特別委員会の副委員長を務めていたことが発覚したのです。
私は元々テレビや新聞の報道さえすぐには信用せず、さまざまな立場を調べてから判断するようにしていますが、ここのところのテレビ局の偏向報道は少々異常で、視聴者を一定の立場に誘導するような報道が見られます。それにしても、ニュース番組だけでなく、あくまでフィクションであるドラマスペシャルでこのような視聴者への印象誘導が行なわれているとは思いませんでした。ドラマにリアリティを持たせるため、痴漢冤罪そのものを扱うドラマならまだしも、脚本の筋書きから離れた所でわざわざ「テレビでよく見るコメンテーターで経済評論家」を出した意図をTBSは示すべきではないでしょうか。