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シルシルミシル

 どの世界もそうですが、不況の折厳しいのはテレビ界も例外ではなく、高額ギャラのかかるタレントを降板させたり、ドラマをやめてお金のかからない生放送バラエティに安易にシフトすることで急場しのぎをしているように思えます。ただ、テレビと芸能プロダクションというのは切っても切れない間柄で、ちょっと意地悪な見方をすると、芸能プロダクションが人気タレントをダシに使いながら、ちゃっかりと所属タレントを大挙してテレビに出している分、テレビ自体がつまらなくなっているような印象を受けます。しみじみ思うのですが、安易にタレントをキャスティングするだけでテレビが面白くなるのかという問題もありまして、別にタレントなんか使わなくても企画次第でいくらでも面白い番組は作れそうな気がするのです。その一端を見たのが本日の深夜バラエティ「シルシルミシル」でした。続き

 皆さんは全日本プロレスでレフェリーとして活躍されている和田京平氏を御存知でしょうか。カウント3直前の2.99で寸止めする動きはプロレスを見ている方なら思い出される人もいるかと思います。番組の企画で、アルフレッド・ヒッチコック監督が「キスは3秒以上だとNG」という当時の上映コードを逆手に取り、巧みに3秒以内のキスをシーン合計で2分半も延々と繰り返した映画「汚名」のキスシーンを見て、プロレスのカウントを取るという企画がありました。左右画面にイングリッド・バーグマンとケーリー・グラントのキスシーンと、普通の部屋で黙々と画面に見入りながら必死で3カウントを取ろうとする京平レフェリーの姿が同時に写っているというのは実に莫迦莫迦しいですが、お笑い芸人に何かやらせるよりも確実に面白かったのは確かです。タレントに頼らず、VTRだけでも面白い番組は作れるし、実際にそうした試みをしている人たちがいるということで、ちょっとほっとしたというのが正直なところですね。

 今のテレビ番組は、たとえそれが定番のドラマであっても、視聴者が見たい人よりも、芸能プロダクションが出したい人が主役の座におさまってしまうような流れになりがちです。タレントがいなくてはテレビが成り立たない部分もあるのは確かですが、せめて深夜枠くらいはこちらが見ていて退屈な人たちには退場してもらって、じっくりと見たり、笑ったりできるものをちゃんと作り続けていってほしいものですね。

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