いわゆる「振り込め詐欺」について、少々思うことがあります。テレビなどで繰り返しその手口について報道されているのになぜ引っかかってしまうのか。それは、犯人が騙される人たちの善意に付け込んでいるからだろうと思います。普通に考えて、一方的に電話を掛けてくる事すらその人の時間を奪うのですから無視しても当然なのに、少なくない人たちは相手に気兼ねして電話を切ることができません。そうした心の暖かさに乗じて目的を達成するような人たちというのは、実にとんでもないと言わざるを得ないではありませんか。
振り込め詐欺まで行かなくても、不特定多数の家にのべつまくなしに電話を掛けまくる事をビジネスモデルにしているものがあります。いわゆる、勧誘のための迷惑電話、ワン切りだけではありません。最近私が一番頭に来るのが、自動で録音テープの音声を流し、それに応えてくれる善意の一般人を目的に情報収集をする輩です。これは、人々の善意に付け込むという点において、人間が掛けてくる迷惑電話よりも悪質だと思います。なぜなら、その場でテープ相手に文句を言うわけにもいかないからです。
本日の新聞記事で、この「オートコール」というシステムを使って、選挙のための世論調査に使っているという話題が出ていました。先月には毎日新聞にも同様の記事が出たということですが、以下のリンクは朝日新聞の記事の内容です。
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY200811280175.html
本来、政治というものは、国民生活に支障のある事について、その改善を目指してくれるものだと思っていました。しかし、政治の場にいる政党がこうしたシステムを積極的に使って全く悪びれる事がないというのは、ある意味大臣のどんな失言よりもショッキングな事でした。記事によると今も毎日迷惑まがいの世論調査を送り続けているそうですが、人々の善意を逆手にとってサンプルを集めるようなやり方は、もっと非難されてしかるべきです。せめて世論調査ぐらいは頭ごなしに叱られるのを覚悟の上、人の手によって行なわれるべきものではないでしょうか。