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土曜ドラマ「フルスイング」第一回

 最初にこのドラマの題名を見た時、正月のバスケットチーム「アイシン」を扱ったドラマのように野球を中心に進んでいくドラマかと思ったのですが、そうではなく、しかもドラマの主人公が実在の人物をモチーフにしたノンフィクションに近いフィクションになっているということで、どの程度ノンフィクション的なのだろうと思いながら注目して見ていました。詳しい事はネタばれになりますので省きますが、プロ野球コーチとして多くの選手から師匠と慕われ、通信教育で教員免状を取った高畠導宏さん(ドラマでの役名は高林)が福岡の高校で教師としての人生をスタートさせる過程を描いています。もちろん、元プロ野球コーチを教員に招聘するということは、ゆくゆくは高校野球の監督として甲子園出場を目指して欲しいとの思惑もあるわけですが、当時のプロとアマの関係上、一定の期間を置かないと元プロ野球関係者が生徒の技術指導ができない取り決めになっているため、野球のシーンはほとんど出てきません。ただ、この高畠導宏という人は非常に魅力ある人間で、コーチ時代も選手にあまりにも慕われるあまり、その上に立つ人たちにとっては面白くない存在になるのでしょう、実にさまざまな球団を渡り歩くハメになってしまうのですね。今回の放送にあたり、高畠氏の弟子を自認する現役のプロ野球選手がブログでぜひこのドラマを見てくださいと書いているほどで、良くも悪くも主演の高橋克実さんの演技がどうかというのがこのドラマの生命線だったように思います。続き

 実際に第一回目の放送で、高橋さんの演技は実にいいようにうつりました。いわゆる「熱血漢」を演ずるにあたり、今の学生というのはそのほとんどがめんどくさいとか、うざいとか、そういう感想を抱くものでしょう。ドラマの中でもそうしたシーンがありますが、高橋さん演ずるところの高畠さんは、一瞬意気消沈するものの、すぐにテンションを上げ、どんなに相手にされなくてもめげずに突き進む様子を演じられています。恐らく実際の教育現場でもこんな調子で生徒に接していたのだろうなと思いながら見ていると、まさに再現ドラマのようにノンフィクションとして楽しむことができました。

 ドラマの中で出てくるプロ野球時代のノートについては、ご本人の書いた本物をコピーして使っているとのこと。これからもさまざまな「名言」なるものがドラマ中に登場してくるかと思いますが、それが嫌味にならずに受け入れられるのは、作りものではない、この物語が事実であり、ドラマ制作者の側も事実に即した作り方をしているからのことでしょう。今回のテーマは「夢」についてのことでしたが、何もこれは高校生に限ったことではなく、いくつになっても夢を持っていないと生きていけないというのはその通りだと思います。人の人生いつ何が起こるかわかりません。極端な例ですが、あのきんさんぎんさんは百歳になってから注目が集まったわけで、自分はもういい年だからこれからも何もいい事はないだろうと考えることは実に愚かな考えだろうと思います。

 土曜ドラマのワクは裏番組でジャニーズのタレント主演のボクシングドラマがあり、今日はたまたま「電車男」が裏でありましたが、このドラマはどのくらいの方がご覧になったのでしょうか。高橋克実さんの演技から見て、今後の展開も期待できると思いますので、引き続き注目していきたいと思います。

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