悪い事をして、しかも人を殺した犯人ということがはっきりしているのであれば、これはもう、誰からの誹りも覚悟しなくてはなりません。そうした想像力を欠如したまま、凶行に及んだ40代の男性がまた出現してしまいました。
この日記では以前、30代から40代の男は、10代よりも危険な年代ではないかと書いたことがあります。私自身、いい年をした大人がこうした事件を起こすことについて、責めることすらあれ、弁護しようとはさらさら思いません。しかし、今回のように何の落ち度もないのに犠牲になった人が存在する以上、今、なぜいい年をした大人が危険なのか、改めて書いてみることにしましょう。
今回の犯人は、元々理容師だったのが、店をたたんでカーテンのお店に勤めていたとの事。それは結婚もし、子供もいるということで、生活の糧を稼ぎ出すために仕方のない事だったと想像します。当初リストラされたと報道されていましたが、カーテン店では自主退職だったというコメントを発表したりと混乱があるようですが、少なくとも今回の犯人が仕事に対するストレスに加え、家族を食わせなければならないというストレスがたまっていたことは確かです。
こういう場合、勤め先のカーテン店を糾弾するというのは早急に過ぎるでしょう。いくら社員として雇っているといっても、本人の人生までは面倒を見られませんから。しかし、このようなストレスを抱え込んでいる人は、それこそ飲む・打つ・買うという方法でしかストレスを発散できないのですね。しかもそうした事を繰り返したところで、全く問題は解決しないのですから、酒ならますます量が増えたりすると、さらに別のストレスの種が生まれてしまいます。
今回の場合はまさしく破れかぶれになった犯人が、しでかしてしまった事件ということが言えるでしょうが、職場でも家庭でも友人でも、ちょっとでも真剣に話を聞いてあげていたら防げる可能性のある事件だったのではないかとも思います。自分の事が良ければそれでいいということではなく、身の回りにいる人の様子がちょっとおかしかった場合に、一言声を掛けてあげる社会を作っていくことで、ここまで追い詰められる人を減らすことはできるような気がします。人間、深刻に考え出すとどんどん余裕がなくなっていきますが、そういう時こそ他人をかまってあげることをおすすめしておきます。というのも、人の抱える問題を聞いているうちに、自分の抱える問題を第三者的な立場から考えることができるようになり、結果として自分の抱える問題も解決できる方向へ行く場合が多いからです。