日本国内だけでなく、ヨーロッパでも人気のあるスポーツ選手というと、つい私たちはテレビで放送されたりオリンピックで盛り上がっている人気競技の選手を挙げてしまいがちです。実のところ、あの中村俊輔選手でさえヨーロッパの中の決してメジャーとは言えないスコットランドリーグでプレーしているに過ぎない実情を考えると、より多くの人に知られているかというと、そういうものでもないように思えます。日本が製造業の技術だけでなく、そこで活躍する選手まで輩出するという点でいうと、オートバイレーサーがやはり人気も実力もあり、多くの日本人レーサーが知られています。
そんな海外でもファンの多い人気プロライダーである阿部典史さんが、サーキットでなく何と公道を大型スクーターで走っていて事故に遭い亡くなったというニュースは、かなりショッキングなものでした。世界の最高峰の二輪車レースであるMotoGPで3度優勝しているレーサーがなぜ公道で事故に遭ったのか。ニュースを調べてみると、片側二車線の右側を走行していて、左側から急にUターンしてきたトラックとぶつかったとのこと。現場はUターン禁止場所ということで阿部さん側に全く過失はない事故なのですが、何も守るものがなく生身の体を晒して乗っているバイクの怖さというものを本当に感じます。車に乗っているとバイクというのは車に較べて認識が遅れることがあり、逆に原付に乗っていてヒヤッとすることもかなりあります。こうした事故があるからバイクはダメだと言うつもりは全くないのですが、こうした危険が隣り合わせにあることもわからずに二輪(特に原付)を運転している人の何と多いことかと思います。
ちなみに、私は恐いのでスピードはほぼ法定速度の30キロ以下で走っています。できるだけ運転中の危険度を自転車のそれと近づけるようにと考えてのことでした。ここのところの冷え込みで多少は厚着をするようになりましたが、速度が上がれば上がるほど、衝突した際の衝撃だけでなく、転倒した時のダメージ、はたまた壁に接触した際のダメージも上がります。半袖Tシャツ短パンでハイヒールやサンダル履きで原付に乗り、自動車並みのスピードで猛然と私の原付を追い抜いていく人をこの夏多く見掛けましたが、まさかそういう人に自殺願望があるとは思いませんが、日常生活の中でかなり人生棒に振る確率を上げているなあと思いながらこちらはのんびり走っていました。逆に車に乗っている時には極力そうした人たちから逃げるようにしてました(^^;)。
ショッキングな事故により私などは更に気を付けようと思ったわけですが、自分には関係ないとばかりにバイクを運転している人もまだまだ多いと思います。阿部さんのようにテクニックは超一流で、いざという時の退避の方法についても熟知している人でも避けようのない事故というものは存在します。交通事故というのは何の前ぶれもなく突然やってくるものですが、自分から事故を呼び込むような運転の仕方をしていると、それこそ明日にでもあなた方の生命を危険に晒すような事態が起こらないとも限らないのです。