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東京の懐の深さを想う

 昨日は統一地方選挙でしたが、ほぼ現職が勝っていることからわかる通りほとんど大きな動きはなく、格差社会といいながら未だに現状に甘んじるのも止むを得ないと考えている人が全国的に多いということなのでしょう。政治によってかんたんには救われることはないだろうと個人的には思っていますので、夕方からちょっと出掛けてきました。続き

 昨日はなぜかここ静岡市に、平岡正明氏と上杉清文氏がトークライブのためにやってくるという話を聞き、果たして平岡氏は元気なのかどうなのか見に行こうと出掛けたのでした。結論から言うと、平岡氏の元気たるやものすごく、スタートからおよそ3時間、ご自身の著書にからめた行徳のジャズの話から落語の話、まだまだ喋り足りないと言った感じで話をあちこちに飛ばしながら、ある時は話がどこへ行ったのか回りに聞きながらも喋り捲っていました。ただし静岡市民の私からすると、清水の次郎長の話をするのに、清水市が静岡市に吸収される形で合併してしまったということすら本日が初耳だったらしいというのは勘弁してよと思いましたが(^^;)。平岡氏はそんな事を全く気にする様子はなく、最後には落語一席分をまるまる語ってしまっていましたが、お元気な姿を見られて何よりでした。

 本日はその他にもゲストとして、末井昭氏や秋山道男氏、櫻木徹郎氏と鈴木裕弘氏(? 手元の資料にお名前がなかったので不確かなまま書いていることをお許し下さい)が壇上に上がり、70年代から80年代にかけての面白い話を少しですが聞くことができました。末井氏編集雑誌「ウィークエンド・スーパー」の企画ページ、「愛情西瓜読本」の面白さについてその思い出とともにとうとうと皆さんが語られましたが(『素敵なダイナマイトスキャンダル』(ちくま文庫)に多少の記載あり)、そういえば以前「全日本冷やし中華連盟」なるものもあり、そうした面白さというのは今のテレビを通したいわゆる「お笑い」の人たちが作り出す面白さとは全く次元の違ったものでした。たまたま自宅を出る前にNHK教育でやっていた植木等さんの追悼番組のように、ジャズ・ミュージシャンが笑いを発信し、それが全国区になってしまうような状況がその昔の日本にはあったわけです。単に昔を懐かしむということではなくて、これからも面白いものを見付けていきたいと思うところです。そのためには、ずっと家にこもってインターネットだけで解決しようと考えたらとてもじゃありませんが面白いものはなかなか見付かりません。今日のように実際に面白い事をやっていた方々の話を直に聞けるという経験はなかなかできませんし、たまたま時間があってよかったですね。

 ただ恐らく、こういったゆるい企画というのは、特に地方を活性化しようと意気込んで企画するものではないですし、そんな事をやったら全く面白くなくなってしまうでしょう。そういう意味ではやはり何でもありの東京というところはこういう企画をやってもそこそこ人を集められるだけの懐の深さを持っているという感じが改めてします。その東京は、現職の知事を続投させる選択をしたわけですが、これからどう変わっていくのでしょうか。

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