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かくして、日本社会は変わらない

 昨日からずっとテレビはWBCの事しかやっていないという感じですが、早くもそれに便乗している人たちがいて、何だかなあと思ってしまいます。それと、試合終了後のシャンパンファイトを見ていて思ったのですが、改めて日本の政界財界、プロ野球界というのはご都合主義も甚だしいということです。

 テレビではイチロー選手がかはりはじけていることに注目しているところが多かったですが、私が一番興味を持ったのは読売ジャイアンツの上原選手のはしゃぎっぷりでした。

 テレビを見た人はおわかりかと思いますが、あれは中学生というよりも小学生のガキの仕業です(^^;)。あんなに純真で、楽しい男であるのに、私が上原選手に持っていたイメージというのは、自分の契約交渉に代理人を立てようとして拒絶され、憮然とした対応でしぶとく交渉を続ける姿であったりしました。また、メジャー挑戦を頭ごなしに拒否され、憮然とした表情も記憶に残っています。

 つまり、元々あれだけ楽しく野球をやりたい人であるのを、さまざまなしがらみによってがんじがらめにするのが、今のプロ野球機構であり、ひいては、今の日本にはびこる社会のあり方ではないかと思うのです。

 今回活躍した川崎選手や西岡選手はともに20代前半の選手で、おやじたちに言わせれば「今どきの若い者」です。しかし彼らはしっかり自分の事を認めてくれて、そこそこ自由にやらせてあげることによって驚くべき力を発揮しました。今回の事例を社会のすべてに当てはめることは無理があるのかも知れませんが、若者に限らず、本来、自由であるはずの人間をがんじがらめに縛り付けることでいい結果が出るということはないと思います。それでいて、自分とは関係ないところで活躍し、結果を出したところで持ち上げるんですね。政府が表彰するなんていうのは、選手のためではなく、むしろ国の方がそれを利用して自分たちもえらく見せたい事に過ぎないと思うのですが。

 今回出場した選手たちは、これからいろんなところでちやほやされるでしょうが、ファンからの暖かい声援は受けても、今回の騒ぎに便乗して利用しようとする輩に対しては、それに飲み込まれないようにして欲しいものです。これから開幕するプロ野球は、同じ選手が出ているにしても、大きな力により選手個々が首根っこを押さえつけられているような状況でプレーしている事を忘れてはいけません。

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