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現実から未来を見る

 医療制度改革法案が国会で強行採決されて、衆議院本会議に送られることになりました。その内容は、70才以上でも一定の所得がある場合、医療費は3割負担になるとのこと。それなら今の国民健康保険の自己負担割合と変わらないわけで、はっきり言って仕事は与えないのに取るところはしっかり取るということになるでしょうか。続き

 面白いのは、同じ国会で本日、少子化対策に関する会合ももたれていることです。少子化対策で親に金銭的援助をするということよりも、一人の人間が生涯を全うするまでにできるだけ大変さがない社会でないと、子を作る方も安心して作れないでしょうに。医療負担も今は2割ないし3割でも、今生まれた子が高齢になった時どうなるのか考えた時、そのほとんどを医療費にとられてしまい、何の楽しみもなくただ生きているだけの人ばかりになるのではないかという危惧を国会議員の人たちは感じないのでしょうね。

 将来の生活設計を考える時、基準となるのは今どのような社会政策が行なわれているのかということから類推するしかありません。金利もほとんど0で、多くの人が貯金を吐き出しながら生活していて、うっかり病気にもなれず、なったとしても病院にも行けないという苦悩を持ちながら生きている人たちも少なからずいるでしょう。テレビでは病気に関するものが多く放送されていて、盛んに専門医にかかって検査を受けることを奨励しているようですが、お金がなければ検査にも行けないという現実も当然あるでしょう。現実の政策と未来の展望を一緒に考えることができないかぎり、少子化の流れというのはいつまで経っても止まらないでしょう。そんな事は何も考えず、避妊をしないで子供を産んでしまったところでは、それはそれで問題が起きます。児童虐待が増えていると私たちに思わせる報道の多さというのは、それだけをセンセーショナルに流すだけではなく、この国の少子化対策の無策をさらけ出すものとして、もっと注目してもいいのではないでしょうか。

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