世間ではもう多くの人がゴールデンウィークに突入した気分になってしまっていて、気が付くとニュースもあまり内容まで見ない人も多いかも知れません。それにしても、今回アメリカまで行った北朝鮮拉致被害者家族会の事について、突っ込んだ論評がないのがおかしい気がします。なぜわざわざブッシュ大統領は横田さんに会い、自らの口から家族会にとって大変に力強い言葉を掛けたのか？ それはもう、米軍のグァム移転について、日本政府が２兆円以上の金を出すことを約束済みであるからでらはないのかと普通なら思いますよね。もちろん、家族会の人にとっては何としても連れ去られた家族を奪還するためにあらゆるコネクションを使いたいと思うのでしょうが、日本政府を飛び越してイラクの問題では沢山の敵を作ったアメリカにすがるしかないというのは、日本の外交には力がないということを自らの手で明らかにしてしまっています。
拉致問題と基地問題は同列に語るべきではないという声もあるでしょうが、これからの流れとして、日本が多額のお金を出して沖縄基地の一部をグァムに移転する費用を出すだけでなく、キャンプ座間に司令部を置くことで日本に対する米軍の影響力をさらに大きなものにするからこそ、米国は北朝鮮についてこれから発言することになってくるのでしょう。というのも、北朝鮮から日本全土を攻撃可能な核兵器搭載可能のロケットが現にあるわけですし。そう考えると、今回のブッシュ発言は、心から拉致被害者家族の心情を慮って出た言葉であるのか、ちょっと疑ってしまいます。
そこで問題になるのが、北朝鮮がいよいよになった場合、東京なり座間に向けて核物質を積んだロケットを発射するのかということですね。そういう場面が起こるということは北朝鮮の体制が揺るがされる時でしょうが、その時偉大なる将軍様は自らの決断に命をかけるということになるでしょう。今回の米軍基地をめぐる動きというのは、これからの東アジアの世界を根こそぎ変えてしまうかも知れない影響力を持っています。しかしそれは、日本政府ではなく、すべて米国軍の動き次第で決まってしまうことなのです。そう考えるとまさに日本は米国の属国というような気がしますね。今日の新聞では、例の小泉首相による靖国神社参拝について、米国にとってもあまり好ましくないという米国の意見があるという情報がありました。もし今後、米国が小泉首相やそれ以降の首相に靖国神社参拝について意見を述べるようなことがあったら、どう反応していくかというのも見ものです。中国や韓国がいくら言っても全く聞く耳を持たなかったのに、米国だから従うなんてことになったら、これはもう洒落でもなんでもなく、日本は米国の一州として世界の国々から認知されてしまうことにもなるかも知れません。