記事一覧

スペシャルドラマ 坂の上の雲

 このスペシャルドラマについては、それほど言うこともないのですが、前回の初回と今回についてちょっと期待していたことがあります。主人公の秋山真之と、重要な登場人物である正岡子規と共立学校から大学予備門という同じルートをたどった南方熊楠が出てくるのかということです。今回は大学予備門の入学後、夏目漱石や山田美妙といった人物が秋山とは違う秀才としてドラマに出てきました。そうなると、神童伝説が数々残る熊楠の登場の期待はいやがうえにも高まったのですが、期待に反して全くの空気というか、熊楠と思われる学友すらこの2回には登場しませんでした。続き

 前回の高橋是清登場の際にも全く出てこなかったので覚悟はしていたのですが、主人公の秋山真之が大学予備門を退学するドラマでのいきさつ(このまま予備門から東大に進学しても同期の秀才にはかなわないと悟ったとする)からすると、山田美妙を出すんだったらある意味正岡子規よりもスケールの大きい個性ある人物だった熊楠のことも、一シーンでいいから紹介してほしかったというのが私の偽らざる気持ちです。ちなみに、熊楠と子規に関する事については以下のリンク先に詳しく書かれています。

http://www.aikis.or.jp/~kumagusu/books/jiten_nakase_ch2.html#Masaoka

 ドラマのこれからの展開は、近代国家として歩き出した日本を中心に動いていくので、南方熊楠のような存在は邪魔でしかないと思いますが、当時の日本という国は、とんでもない親のすねかじりのニートのような熊楠という人物をも許容したということもまた事実です。ドラマを見てこの時代の事に興味を持つ人が増えるのは大変嬉しいことです。興味のある方は、原作を読んだ後にでも、南方熊楠の評伝や、星新一さんによって書かれた明治時代の人物誌についてご一読をお勧めします。

コメント一覧

コメント投稿

投稿フォーム
名前
Eメール
URL
コメント
削除キー