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鉄道と日本の未来

 毎年この季節は春の訪れとともに、JRのダイヤも改正されるわけですが、夕方のニュースでは本日で廃止となるブルートレイン、富士・はやぶさの話題が多く取り上げられています。それとまさに時を同じくして、高速道路地方線1,000円均一が実行に移されることになり、私たちの旅の形態も様変わりを余儀なくされる事になってきそうです。私は寝台特急は利用したことがありません。当時から新幹線より高い料金に、お金のない学生ではおいそれと利用するわけにもいかず、いわゆる夜行列車にはずいぶんお世話になりました。JRの中で定期運行されていた普通夜行列車「ムーンライトながら」「ムーンライトえちご」が臨時列車化される事の方が私には衝撃的でした。続き

 私が旅を満喫していた頃は、「ムーンライト」の名が付いた夜行の普通列車はもちろん、東京と東北を結ぶ夜行急行「八甲田」「津軽」も毎日運行されていました。更にそこから青函連絡船もあり、こちらは青春18きっぷで乗れました。八甲田や津軽は18きっぷでは乗れませんでしたが、「ミニ周遊券」を買えば行き帰りの急行料金がサービスになるので、東北へ行く際にはほとんど夜行急行の座席車に乗ったものです。

 学生の時にはとてもではありませんが車を使っての旅行というのは考えられませんでしたから、安い値段で公共交通機関を使えるというのは実に有難かったです。学割を使ってミニ周遊券を買えば、かなり欲張った日程でもこなすことができました。そんな時代と今を比べると、確かに車を持ち、そこにETCを付け、もちろんクレジットカードを持っていれば安く旅することができるでしょうが、大学生あたりでもそれらのことを享受することはなかなか難しく、高校生以下の人たちにとっては免許自体取れないので車での旅行は無理ということになります。

 大ゲサかも知れませんが、これからの日本の行く末を考える時、主に10代の方々がおいそれと旅に出られない状況になっている事に多少の不安を感じます。今回の高速道路の料金改正で喜んでいる人たちの中で若年層はそれほどいないはずで、それは世代別の乗用車の販売台数にも現れてくることでしょう。車の免許を取って車に乗るということにそれほど必要性を感じない若年層の増加は、単に車社会からの変化といった事だけではなく、旅行をしない(したとしてもパックツアーのようなものが中心)人たちが増化し、観光そのものの先細りを予感さえします。

 これからの公共交通機関は、都市部では発達するものの、地方路線については廃止ないし便数の削減という未来がすでに見えています。車を持たずに生活する人たちが今後増えていくことを考えると、鉄道網を今から何とか残しておかないと大変な事になると思うのですが。

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