小沢民主党代表が次回の衆議院選挙に、地元の岩手から出ないという話がまたそぞろ聞こえてきました。これはもちろん、自民党で盛り上げている総裁選に対する対抗措置であろうと思いますが、いわゆる「お国替え」の場所が公明党の太田昭宏代表の地元・東京12区かも知れないと期待を持たせているのは、それはそれで面白いことです。
こんな状況だからこそ、三一書房さんには竹中労さんの「聞書・庶民烈伝」の下巻を早く出して欲しいのですが、当初7月下旬の発売だったはずが、もう9月下旬になろうとしているのに、まだ出ませんね(^^;)。書評欄などでもなかなか「庶民烈伝」が出てきませんが、個人的には下巻の発売を待って書評を出そうと思っている方が多くいるのではないかと想像しています。ちなみに、かくいう私も同じ事を考えていて、レビューは改めて上下をじっくり読んでからしようと思いつつこんなに時間が経ってしまいました。
この「庶民烈伝」発刊の経緯については、私のページでもお知らせしていたように、当初は違う出版社から出す予定だったのが三一書房より発行されることになって、実際に出るまで時間がかかったということがあります。では今回の下巻について、何からの問題が出ているのかということになるのですが、三一書房のホームページを見る限りにおいては、ただ「近刊予定」の欄に書いているだけで(2008年9月10日更新分のページを参照しています)、なぜ発刊が遅れているのか説明もありません。ファン心理としては、編集上の問題がないなら早く出して欲しいですし、何か問題があるならば告知をしてほしいなと思います。
話は変わりますが、先月末に岩波現代文庫から加々美光行さんの著書『中国の民族問題 危機の本質』が出版されました。1992年に新評論から出た『知られざる祈り 中国の民族問題』を基にし、今年に入ってから起こったチベット暴動や、北京オリンピック開催にともなっての情勢の変化についても解説されていてなかなか興味深く読ませていただきました。一つ残念なのが、この本がもう少し早く発売されていれば、オリンピックの聖火リレーの混乱の中、より多くの人たちが手に取ったのではないかということです。もちろん、一冊の本をまとめるには多くの行程があり、締め切りを守ることすら大変だろうということは十分承知していますが、多くの人の関心が中国の民族問題にあるうちに出版できるようにスケジュールが組まれていればと思うとちょっと残念です。もちろん、人々の関心が他のところに行ったとしても問題自体が無くなるわけではないので、北京オリンピックを機にこうした中国の問題について興味を持たれた方にはぜひ手にしてもらいたい本です。
これもあくまで素人考えですが、これから衆議院解散が前倒しされ、総選挙のスケジュールが早くなったとして、「庶民烈伝」下巻が選挙後に出たとしたら、それだけで世間一般のこの本についての興味が薄まってしまう可能性も出てきてしまうように思います。私をはじめ竹中労さんの本を読みたいという人はいくら遅くなっても買うでしょうが、そうでない購買層にいる人たちは、決して安くない本を買うには何からのきっかけが必要であります。今この時点で出せれば、より多くの人に竹中労さんの文章の魅力を伝えることができるのにと思うともどかしくもありますね。