サッカーのワールドカップの中継がようやく落ち着いたところで、中断していた木曜時代劇も再開されました。そんな事情からあらすじを少々長目に、そこから一気に物語も展開し、もう森の石松も出てきます。
次郎長は清水に戻り、新たに子分を受け入れるわけですが、そこでの(ドラマの中でですが)次郎長の物言いは、「堅気の人たちに迷惑を掛けず、歩く時は道の端を歩け」というものでした。どこかで聞いたことがある話だなと思ったら、これは次郎長より年長で、二足のワラジを履いた駿河の親分・安東文吉(あんどう・ぶんき)親分の言っていた戒めだったのですね。元々次郎長は掛け出しの頃、賭場のいざこざに巻き込まれ、簀巻きにして放り出されそうになったところを文吉親分に助けてもらっていることから、一家を構えた次郎長親分もそれにならったのかと思いますが、残念ながらドラマには文吉親分(違う「ブンキチ」親分は出てきましたが)は出てきませんでした。まあ、清水の次郎長の話には安東文吉親分は出てこないことになっていますし(^^;)、今回の次郎長ドラマも次郎長物語の王道を行っていますから出て来るとも思っていなかったのですが、それならばこそ、なぜ文吉親分の戒めを次郎長の口から語らせたのか疑問は残ります。
ただ、物語の方はこれからが絶好調。はみ出し者が胸のすくような活躍を繰り広げることになっていくでしょう。それにしても、今の世の中で暮らしていると、物語に出てくる次郎長のような人物がいてくれたら、ずいぶん風通しが良くなるのにと思う人は多いでしょう。だからこそ、次郎長の物語は何度も再生されるのですね。良質なエンターテインメントとしても、今後の展開は楽しみです。