旅先でのインターネットは、ほとんどMiFi2372を使って接続していました。NTTdocomoの800MHz帯域を使えるメリットはやはり大きく、九州道や中国道などの山の中でも全く圏外になることがなく、まさにどこでもインターネットに接続できたといった印象です。さきほど改めて「MiFi2372」をキーワードにしてグーグル検索を試したところ、先頭に出たのが、日本での販売価格32,800円が高いのでありえないといったブログでした(^^;)。でもはたしてそうなのでしょうか。次にキーワードに「ebay」を加えて検索してみると出てきたサイトでの価格は２９９ドルでした。１ドル９１円としても27,000円前後で、これに送料がかかります。ただ、こうして個人輸入しても国内で認可を受けた端末ではないため、実際のところは国内で使うことができないものです。つまり、MiFi2372は元々の価格設定が高いのですね。どういう基準で高いと多くの方が思うのかというと、現在日本で販売されているイー・モバイルのPocket WiFi (D25HW)と比べてしまうからでしょうか。しかし、イー・モバイルのサービスは動画もスムースに見られるだけの高速通信ができるものの、反面エリアが狭いという特徴があります。実のところ昨年は私もイー・モバイルの契約を持っていたのですが、地元で使うには問題ないものの、旅先について、都市部ではつながるもののちょっと郊外に入ると繋がらなくなるといったイメージで、旅先で繋がるという点ではまだウィルコムのエリアの方が優れているように感じました。インターネットの怖いところは、どうしても個人の感想だけで書かれた印象が優先して広まっていくことかも知れませんね。というわけで、できるだけ感情論を抜きにして、どの程度使えるのか、そしてそれに見合う対価なのかという点で改めてMiFi2372を評価していきたいと思います。
MiFi2372はSIMフリー端末ですが、日本国内おいてNTTdocomoとSoftbankのSIMカードしか現状では使えません。多くの方は私と同じように日本通信のbmobile U300での利用を想定しているように思いますのでコスト比較はそちらの方でしてみたいと思います。具体的にはPocket WiFiを5,980円で購入できる「にねんＭ」「スーパーライトデータプラン」と２４ヶ月での負担額を比較してみることにしましょう。
この場合の初期費用は端末代5,980円＋契約事務手数料2,835円の合計8,815円となり、MiFi2372の32,800円と比べると約24,000円＋送料分の開きがあります。通信料については、「スーパーライトデータプラン」は1,400～5,380円/月と月ごとの使用パケットによって料金が違いますが、それなりに使うつもりで購入される方がほとんどだと思いますので、上限の5,380円で２４ヶ月として129,120円が通信費となります。これに初期費用をプラスして、２年間の合計は137,935円となります。
ただし、同じイー・モバイル回線を契約する場合、直接イー・モバイルと契約するよりも他のプロバイダ経由でする方法もあります。これは現在使っているプロバイダがそうしたサービスを行なっている場合には有効な手段です。例えばBIGLOBEの場合、Pocket WiFiを15,580円で販売し、月々の通信料も790円～4,775円、これを書いている現在はキャンペーン中で、初期費用０円とのことなので、上記と同様の計算では２年間の総額で130,180円と若干安くすることができます。
そして、MiFi2372とbmobileの場合ですが、端末代32,800円＋送料にbmobile U300の6ヶ月使用料14,900円の４回分を加えて、92,400円＋本体送料ということになります。もちろん、安いのにはそれなりのわけがあって、通信速度の仕様が300kbps超（ベストエフォート）とウィルコムのPHSよりは早いですが、速度に不満を持たれる方も多いでしょう。加えてYouTubeやニコニコ動画などの動画閲覧サイトでは極端に速度が制限されるらしく、実用的にはほとんど使えないと言っていいと思います。ただこれは、あくまで日本通信のSIMでの問題なので、将来的に動画閲覧もストレスなくできるようなプランがドコモやソフトバンクで始まった場合、そのSIMに乗り換えて使える余地は十分あります。プリペイド方式で解約手数料もない通信カードで外でのネット接続は凌げるといったニーズならば、本体の価格は即座にパスするほどのものではないことがおわかりかと思います。
つまりは、外でどこまでネットを使うかによってさまざまな選択肢が出てきたということですね。外で動画を見たり、ラジオ放送を聞いたりというようなニーズならばイー・モバイルの方がいいでしょうが、低速で動画は見られなくても、とにかく山の中でさえメールやWeb閲覧をしたいという希望がある方には、MiFi2372も悪くない選択肢だろうと思います。どちらがどうだとは結論付けませんが、ご自身の行動範囲と相談して選んだ方が幸せになれると思います。