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振り込め詐欺を生み出す社会とは

 携帯電話の販売方法が変わり、ローンのような形式で使い続けなければいけないような仕組みができておおよそ2年になります。かくいう私もその仕組みを使って携帯電話を買い換えてから2年が経ち、今日機種変更の手続きをしました。

 これは携帯電話だけの話ではないのですが、もし私に購入方法についての知識がないまま販売代理店に行ったとしたら、より多くの出費を強要されてしまったでしょう。世間では振り込め詐欺の被害が増大していますが、多くの普通と言われている契約ビジネスの中にも、同じような事があるように思います。言葉巧みに知識のない人からより多くのお金を回収するというような、人の錯覚に基づいたようなビジネスモデルがはびこっているように感じられてならないのです。続き

 私の契約しているのはどこのキャリアかは書きませんが、どの会社でもそうそう変わらないように思います。機種変更をするにあたって、どうしても新規契約より不利になることはわかっているのですが、近所のキャリア専門店へと足を運んだところ、電話機の購入金額のところに気になる注意書きがありました。このお店(多くの量販店でも同様の制限が多いように思います)では、頭金を0円にする条件として、特定のプランに限定し、さまざまな付加価値サービス、パケット定額サービスを付けることが必要だとのこと。詳しく店員の方に聞いたところ、今使っているプランを引き継ぐ場合は、頭金としていくらかの上乗せをした上で付加価値サービスを新たに付ける必要があると言われました。多くの人はそれで電話機が実質無料で手に入るなら(実際は26ヶ月の継続利用が条件)とプラン変更なり毎月の支払を増やすプラン追加をのんでしまうのですが、私はそれを聞いて一旦帰宅しました。

 改めて調べてみると、プラン変更および付加価値サービスの付保をすることによって、お店にはキャリアから奨励金が入り、それでお店の売上が上がるという仕組みがあることがわかりました。さらに、そうした奨励金とは関係ないネット上にあるオンラインショップでなら、同様の条件で以前のプランを追加料金なしに引き継ぐことができることがわかったので、とっととオンラインショップから機種変更の手続きを行なってしまったという次第です。

 同様の事はキャリアの直営店では可能かも知れませんが、現実問題として普通のショップでは店員に掛け合ったとしてもできないと言われてしまうかも知れません。ただ、こうした事により利益を上げている携帯電話キャリアの経営姿勢というのははっきり言って疑問に感じますね。携帯電話と言えば新規顧客が得をするという批判の中、割賦販売という販売手法が出てきたわけですが、これからの時期、売れ残った端末を処分するため、ほとんどタダみたいな金額で新規契約限定で在庫処理をする場合があり、そのほとんどがいわゆる複数持ちの人たちの手に渡ってしまいます。全体の契約件数を伸ばすための打ち出の小槌のような手法だと非難はありますが、逆に言うとそうでもしない限り不人気機種は売れ残ってしまうという現実があります。毎月の維持費が最初の2年間に限り8円なんて看板を出しているところがありますが、もちろん使いもしない携帯電話を複数持ってもムダなだけですが、それでも持ちたいという人がいて、そういう使い方を支えているのが何も知識を持たずに店員の言うなりに毎月お金を払わされている人という現実にも目を向けるべきではないでしょうか。

 世間では振り込め詐欺の理不尽さを叩きますが、ごく当り前の事して企業がやっている事の中にも同じような事はあり、情報弱者は搾取されて当たり前だという風潮がはびこる限り、世の中は決して良くならないということは断言できます。前回書いたデジタルテレビについてもそうですが、一人の人の言う事を鵜呑みにせず、じっくりと情報を集めることが必要になってくることでしょう。

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