今日はピアニストの高瀬アキさんの日本ツアーの一環として行なわれた、ベースの井野信義さんとのデュオを聴きにいってきました。10月の終わりに北海道からスタートしたツアーも関東までやってきて、昨日は新宿ピットイン、その前は横浜のエアジンだったとか。こちら静岡・青嶋ホールはそうした老舗のジャズスポットとは客層も違うでしょうが、何といっても会場がクラシック用の小ホールで全くの生音のみで聴くことができるというのは実に嬉しいことでした。用事などが入らない限りできるだけここでのライブには行くようにしています。
写真のようにピアノのすぐ前でライブ演奏を堪能しましたが、ジャズというよりも現代音楽のような手法を使い、ピアノの弦を指で弾いたり、ピンポン玉やブリキの缶の蓋などをグランドピアノの中に放り込んでそのまま演奏するようなこともあり、その音色の微妙な違いを肌で感じることができました。井野さんの方も金属製の洗濯バサミを弦にはさんだまま演奏をしていた時がありましたが、微妙な音色というのは間近で見ていたということもありますが、はっきりと感じることができましたね。ホールなのでライブハウスのような気楽さはないものの、リラックスしすぎてだらだら聴いているのがいつものことなので、こうした緊張感の中でじっくり音楽に浸かるというのもいいものです。休憩をはさんでアンコールまでたっぷりと2時間、オーネット・コールマンの曲を中心に、エリック・ドルフィー、カーラ・ブレイ、セロニアス・モンクなどの一連の曲を演奏され、アンコールにはジャズ評論家で先日お亡くなりになった清水俊彦氏にささげた一曲で締めくくられました。
実はここでのコンサートは今月もう一回ありまして、今度は何と日野皓正・菊地雅章デュオがあります。どんな音が聴けるのか今から楽しみです。