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政治とスポーツの密接な関係

 自民党が民主党に連立を打診というニュースに今の日本の社会の流れを見、それをすぐに拒絶できない民主党の姿にも、ある種の閉塞状況を感じる今日このごろです。選挙前にはマスコミもこぞって「選挙に行こうキャンペーン」を繰り広げ、「あなたの一票で社会が変わる」などというような事を吹聴しているにも関わらず、もし昨日の党首会談で小沢代表が福田首相の連立案を受け入れてしまっていたら、参議院の選挙の結果すら飛びかねなかったことを考えると、「もう選挙へ行ったところで何も変わらないのでは」というような空気が世間に蔓延するような事も考えられます。合法的に社会の改革を実現しようとしてもできないような事実がこれからまた出てくるような事にでもなれば、日本の未来というのは実に暗いと言わざるを得ません。続き

 このような民衆の不満のはけ口になってきたのが、真剣勝負ですっきりとしたスポーツイベントであったりしたわけですが、先日のプロ野球日本シリーズの結末については、何か政治決着のようなすっきりしない後味が個人的には残りました。もちろん、勝った中日のファンの方にとっては喜ぶべき事なのでしょうが、勝つためには個人の最大の栄誉を棒に振ってもチームのためにというのは、まさにサラリーマンの悲哀といいますか、日常生活そのものであります。私はテレビで8回まで山井投手がパーフェクトピッチングをしているのを見ていて、かなり興奮していたのですが、9回あと3人を残してチーム事情から交代させられたのを確認し、今までの夢の世界から一気に現実に引き戻されました。球場で指揮をとっているのは監督であり、観客自体がどうこうすることはできず、監督は勝つために最善の策として交代もあったのでしょうが、全てが終わる前に夢から覚めてしまうような興行をうつのであれば、もはやプロ野球は心底楽しめるものではなくなったのかなとも思います。プロ野球の場合は政治とは違って選挙も何もありませんから、わざわざこうして自分の意見を表明するまでもなく、黙って去っていく人の方が多いのかも知れません。

 ただ、プロ野球に限らず、今の日本では本来なら何もかも忘れて楽しめるようなイベントにおいてもどこかしら裏が見えてしまい、心底楽しめないようになってしまっているのかも知れませんね。落合監督にもいわゆる大人の事情があり、あそこまで批判覚悟でやらないと、それこそ地方の財界や政界にもつながる人たちから非難を浴びるからこその非情の采配だったようですし。つまり、社会の閉塞状況というのは、本来純粋に楽しめるはずのスポーツにおいてさえ、その自由を束縛しつまらないものにさせるということなのでしょうか。私はこうした閉塞状況が不自然な形で爆発しないだろうかということを心配しています。黙って退場する人たちが裏で何を考えているのか、いわゆる指導者の立場にある人は想像をしないと、間違いなく衰退・崩壊への道をたどって行く事でしょう。

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